毎日新聞は よほど、安倍 元首相の 国葬執行が 許せないようだ。

 

このところ、多くの有名人を 担ぎ出してきて、その旨の記事を 連載している。

 

ここでは、その例を いくつか、 見てみよう。

 

まずは 7月 24日 に 掲載された 松尾貴志氏の 「 自民党と 旧統一教会 関係は 究明されないのか 」。

 

この記事で、氏は、安倍元首相の 功績を 全く 無視 した上で、こう 書いている――。

 

「 岸田文雄 首相は、安倍氏の国葬を 執り行う 意向を 表明した。

 

国葬の定義や 対象などの規定は 存在しないとはいえ、あれだけ国民の分断を あおり、国会で 3 桁にも のぼる 虚偽答弁を し、数々の疑惑を 抱えたまま 死去した 政治家を、『 憲政史上 最長にわたって 首相を 務めた 』 という理由以外には 積極的に 推す 材料も ないのに、なぜ ここで 国の名に おいて 国費で 葬儀を 執り行うという 勇み足の 表明を してしまったのかが 謎でしかない 」。

 

続けて 7月 25日に掲載された 「 小説家 ・ 平野啓一郎 さんが 見る 安倍 元首相 銃撃 」。

 

平野氏は 芥川賞も 受賞した 47 歳の 小説家とのこと。

 

上東麻子 記者 が、 平野氏に、 インタビュー する形で 進行 していく。

 

「 平野さん は 『 国葬 』 にも 反対の 立場である。

 

『 安倍氏の政治が 残したものは 今後、冷静に 分析されるべきです。

国葬 という セレモニーで 美化して しまえば、検証作業に 大いに 支障が出る。

 

法的根拠の 欠如も 問題ですが、政治が 冷徹な 検証に さらされることで 国家が 発展すると 考えるならば、誰であれ、民主主義国家では 政治家の国葬は ふさわしくない 』。

 

平野さんは 熱っぽく そう 説いたのである。 【 上東麻子 】 」。

 

氏の 真意は 「 今後、安倍政治を 冷静に分析する 必要がある。

きっと 様々な過ちが 指摘されるだろう。

 

そのような 冷徹な 検証の前に、国葬 と いう セレモニーで 美化して しまえば、検証作業に 大いに 支障が 出てしまう 」。

 

―― 氏は、もう頭から、安倍政治を 全否定しているのだ。

 

次は 8月 3日付け 毎日オンラインに載った、辻本清美 参院議員の 「 安倍政治の 功罪  分断と 対立を 生んだ 唯我独尊 」。

 

この中で、氏は 「 安倍 元首相が 行ったのは 『 この道 しかない 』 と いう 唯我独尊の 政治だった 」 と 決めつけて こう主張する。

 

「 安倍氏の 国葬には 反対だ。

吉田茂 元首相 の 国葬の際にも、恣意 ( しい ) 的 に ならないか、法的根拠が あるか などに ついて、相当 議論が あった。

 

安倍政権の 時には 森友学園問題 を めぐって 自ら 命を絶った財務省 職員が いて、真相も 究明されていない。

 

また コロナ禍では 入院も できず、自宅療養中に 死去した方も 多い。 入院していても、コロナ禍 の なかでは 葬儀 さえ できなかった人も 多い。

世界平和統一家庭連合 ( 旧 統一教会 ) との 関わりも 出てきた。

 

そうしたことに 思いを はせれば、全額 国費で 安倍氏を 国葬にすることは おかしい。

 

納得できないのは 私だけでは ないはずだ 」。

 

最後に 8月18日 夕刊に 掲載された 「 島田雅彦さん 国葬、透ける 自民の 保身 政治と 宗教の 癒着、追及を 」。

 

島田さんは 1961年 生まれの 小説家 とのこと。

 

記事は 金志尚 記者が、氏に インタビューする形で こう 始まる。

 

「 静かな 語り口に、憤りが にじみ出ている。

 

『 国葬で 言論を封じ、政治と 宗教の癒着を うやむやに し、党内派閥の 力関係を 調整するつもりでしょう 』。

 

そう 推察するのは、かねて 政治に物申してきた作家の 島田雅彦さん ( 61 ) で ある。

 

宗教団体 『 世界平和 統一家庭連合 』 ( 旧統一教会 ) を 巡る 問題が 政界を揺さぶる中、 安倍晋三 元首相の 国葬に 異を 唱えるのだ 。

 

教団との関係が 露見する 自民党議員が 後を 絶たない。

 

『 本気で 教団との関係を 断つ つもりなら 内閣 総辞職、解散 総選挙を すべきです 』 」。

 

以下、延々と 安倍政治を 批判 している。

 

ところで、このインタビューの中で、筆者が 思わず ハッ と する 一文が あった。 それを ご紹介したい。

 

島田氏の 「 安倍元首相は 『 モリ ・ カケ ・ 桜 』 などの 疑惑の もみ消しに しか 政治力を 発揮しなかった 」

 

と いう 指摘に、金 記者が

 

「 憲政史上 最長の 8年 8カ月に わたって 首相を 務めた 安倍氏だが、なぜ かくも 長く 宰相でいられたのか 」

と 尋ねると、返ってきた 答えが これ――。

 

「 日本政府は いわば、国内外の ロビイスト たちが 相乗りする バス の ような もので、政治家は ロビイストに 利益誘導を しつつ 私腹を 肥やすのです 」。

 

―― 特定の 主張の 実現を 求めて 集まってくる ロビイスト。

 

ここでは、大企業や 右派組織の 日本会議、あるいは 米国の 軍産複合体、国際金融資本 などを 指すという。

 

「 担ぎやすい みこし で あり、格好の イエスマン だったのが 安倍氏でしょう 」。

 

金記者 が これを引き取り、こう 続ける

 

「 振り返れば、米国のトランプ政権下で 日本政府が 戦闘機や 武器を 『 爆買い 』 したのは 周知の通りだ。

 

また、自主憲法制定などを 求める 日本会議は、安倍政権を 支えた 岩盤保守層の 象徴的存在 である 」。

 

筆者は これを 読み、島田氏 と いい、金記者 と いい、 「 偏った、独自の観点から 物事を 見てるんだな 」 と 痛感した 次第である。

 

最後に。

島田氏も、先に出てきた 平野氏も、ともに 共産党を 支持しているようだ。

 

両氏とも 「 赤旗 デジタル版 」 に、その旨を 表明する記事を 載せている。

 

また 毎日新聞も、専門 編集委員の 与良正男氏が、3月 2日付け 「 熱血 ! 与良放談 」で、「 翼賛体制 」 なんて 「 しんぶん 赤旗 」 に しか 載っていない 造語を 使っている。

 

この 新聞社と、この 政党は、ともに 目指すところが 同じ なのかも しれない。

 

〔 了 〕