それは遡ること800年ほど前の北陸路…
安宅住吉神社をご紹介しましょう。
この私らしからぬ… 判官贔屓(ほうがんびいき)かもしれませんが
源氏の御曹司として義経様の生涯と悲劇に哀悼の意を表したいのです。
幼名は牛若丸。 源義朝の九男として誕生して以来、平治の乱で父が敗死。
鞍馬寺に預けられたことで、天狗に修行させられたなどの逸話が残ります。
平泉に身を寄せると奥州藤原氏の総帥であった藤原秀衡からの丁重な庇護で成長。
後に伊豆で平氏を討つべく兄の頼朝が挙兵する治承~寿永の乱が勃発。
満を持して旋風の如く馳せ参じた義経は血気盛んな若武者。
頼もしい臣下の弁慶たちを引き連れて激動する歴史の舞台にデビューするのでした。
源 義経こそは、平安時代末期に彗星のように現れた最強の武将です。
後世の鎌倉幕府の成立は彼の手腕無しには達せえない偉業でしょう。
鮮やかな戦略と運動能力で武功を挙げる、まさしく義経は合戦で鬼神の様か飛天。
兄…頼朝に尽くす純粋さは血風を巻き起こし旧戦術を覆す兵法を駆使。
一ノ谷で蹴散らし、屋島を焦土に変え、遂には壇ノ浦の藻屑と消える平氏。
勇猛果敢な挑戦者の乱入に、傲り高ぶる平氏の未来は狂い滅亡したのでした。
しかし、周囲に潜む権威や悪意は忍び寄り…源氏の結束を揺るがす策謀と罠が?。
義経は栄誉名声など歯牙にも賭けぬ若者。
悪意で執拗な朝廷からの官位を頼朝に許可を得ず授けられるなど、意に背く結果に陥る。
その軍功を快く思わぬ関東武者などは平氏追討の報償や手柄争い。
目的を遂行すると、邪魔なキーパーソンとなる義経を排除すべく四面楚歌に追い込む。
頼朝との乖離を企てる者達に謀られ、独断専行などで決定的な衝突に至ります。
周囲の権力闘争に嫌気がさし、自立すべく動いた義経の心は砕かれます。
既に必勝必罰の条理で縛られた組織のトップ頼朝は、弟を疎まされ朝敵にします。
自らの謀略が暴かれぬようにと側近は両者を争わせ口封じが先決。
義経を抹殺すれば以後の恩賞は生涯欲しいまま、国中に捕縛の追っ手を配します。
…盲目の琵琶法師のように弾き語る …私も胸の奥から涙が溢れ出ます。
こちらの琵琶法師の像は、能登半島の平氏落人である『時国家』の近くで撮影。
危難から脱出すると少年時代に懐かしい奥州の藤原秀衡の元に落ち延びました。
仏法の花咲く黄金の理想郷を築き上げた秀衡も逝去…。
次期当主となる藤原泰衡はメンタルが弱く、源頼朝から追及され義経を討伐。
義経様は奥州の衣川館にて自刃し非業の生涯を遂げました。
最期まで追っ手の軍勢から主君を死守した弁慶が立ち往生…。
(後世に遺される義経の肖像画は貧相に描かれますが、敵視されていたなら当然の嫉妬で描かせたはず)
遺言に背き義経を売り渡した藤原泰衡と奥州の国も滅ぼされてしまいました。
以後は不都合な人物として記録の類も貶めようと捏造されたのですね。
(平家の恨みよりも厄介な源氏派閥に寄生した醜い欲と低俗なジェラシーでした。)
遮那王殿を無念では終わらせませぬ
(その道中にての…安宅の関)
平安末期以降の安宅の関址、そして現在は航空自衛隊の小松基地が近くにあります。
常に要衝の地であり、日本海では守備隊の在りし場所。
さあ、神社の結界を邪悪な侵入者から守る狛犬さん。 前脚(右)で子を押さえ。
吽形の狛犬
前脚(左)で鞠を…
阿形の狛犬
参道を歩き明神鳥居をくぐりましょう。
(大昔は、社殿が無くてもGATE、鳥居のような構築物はありました。)
こちらは神社の本殿になります。 (歩く度、砂利が…いい音を出します。)
ここにも右側には、武蔵坊弁慶の像があります。
表情鋭く… 真っ白な志の如き巻物を広げて。
勧進帳の由来を記してあります。
そして魔除けの朱色に塗られた鳥居は。
お稲荷さんですか?
両側の狐…でしょう、長い鼻や耳が削られてしまっているようです。
どんな出来事があったのでしょうね?。
普通は稲荷のキツネさんは…あんな感じ。
綺麗な拝殿ですね。
さらに両脇には神聖な眷属たる狛犬…
珍しい亀石。 この周辺海底からの堆積岩でしょうか。
神 亀 石 …ド○ゴンボールじゃないですから?。
拝殿で皆さんの健康をお祈りさせていただきました。
八方ふさがりの祈願をしていただきましょう。
鎮守の森も緑豊か。 弁慶 逆植えの松
安宅の関の出来事を記した漢文らしき石碑が。
これは手前の樹木を伐採すべきか守るべきか?。
梯川の河口付近にありますのが安宅住吉神社です。関所の傍らには灯台が日本海を照らしていますから。

安宅港口灯台
灯台や安宅住吉神社は、安宅の関のランドマークにもなります。
周囲にはお料理やレストハウスもあります。 立ち寄ってくださいね。
広い日本海、風も気持ちいい海岸でした。
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