超音速攻撃ヘリ エアーウルフ
まだ小さい頃、お気に入りだったアメリカのTVドラマがありました。
80年代を席巻した黒い機体といえば、噂の『ナイトライダー』よりも『エアーウルフ』です。
劇中に登場するのはベル社の”222”を改造した機体の超音速攻撃ヘリ…。
あくまでも特撮なのですが、脚部の格納ギミックや外観は既に”違う”雰囲気を放つ獰猛さがありました。
放送されたのは1984年1月22日から4月14日にかけての全12話が第1シーズン。
他に2シーズンが放送されました。
主人公の『ストリングフェロー・ホーク』と相棒の『ドミニク』がコンビを組んで事件の解決に活躍する物語に夢中でした。
荒涼とした砂漠地帯(ネバダ)にあるインディアンの聖地”神の谷”と呼ばれた岩山に隠匿された謎のヘリコプター発進場面。
いまとなっては東西陣営の冷戦時代をバックに描かれた物語は、荒唐無稽というよりも旧さを否めないはずですが…
偶然にDVDパックを購入いたしまして。
懐かしい物語からは逆に真新しい感動を手に入れたのです。
『AIR WOLF』と呼称される物理的飛翔体は、ヘリコプターを模した超兵器。
中央情報局(CIA)に属し、『悪魔的天才』科学者チャールズ・ヘンリー・モフェットが設計したのです。
実に10億ドルの費用を費やし、20年という歳月で極秘開発された機体は…
マッハ1 プラス
不可能とされたヘリコプターの超音速飛行を達成した空の要塞。
あらゆる高度な電子機器でステルス性を高め、秘密作戦を遂行する夢の機体でした。
完成したエアーウルフは、披露すべく招かれたデモフライトで、軍関係者や連邦議会議員が見守る中、突如開発者モフェット博士自身により反逆!。
エアーウルフはCIA職員から招待者の観測する基地管制塔を破壊し尽くし。
モフェットはエアーウルフを強奪、北アフリカ某国(リビアらしい?)へと亡命したのです。
こうして、米国の機密情報を満載した秘匿兵器『エアーウルフ』を奪還すべく要請されたストリングフェロー・ホークの物語も始まるのでした。
- 『ストリングフェロー・ホーク 』
主演 ジャンマイケル・ヴィンセント(吹替は磯部勉)34歳
米国軍人としてベトナム帰りのパイロット。
ベトナム戦争でヘリボーンの際に、負傷兵救出作戦に突入して行方不明となった最愛の兄である『セント・ジョン・ホーク』を探し出す事が奪還の条件。
リビアではモフェット博士と対決後、エアーウルフを何処かに隠匿してしまう。
普段は、友人ドミニクが経営している『サンティーニ航空』専属のヘリ操縦士 。
美しい湖畔にある山荘で愛犬のテットと暮らしています。
チェロの演奏を好み、湖畔で弾く彼の姿は…どこか物悲しい。
少年時代、両親をボート事故で失い、ベトナム出征直前に恋人を自動車事故で亡くす過去を持つ。
そして戦友でもある兄とまで生き別れとなり、そのトラウマは…自らの大切な人に不幸が及ぶことと…哀しみから、敢えて世俗を離れ孤独に暮らしている。
本来は情熱的で繊細な青年である。
- 『ドミニク・サンティーニ』
演じるのは、アーネスト・ボーグナイン (吹替は富田耕生)
彼は史上最強のパートナーと呼べるでしょう。
劇中に於けるドミニクの好感度は凄く高いんです。
年齢的には、ホークのオヤジさん程の差があるのですが、いい人なんです。
陽気なイタリア系の移民のようですね。
ダンテの神曲の一節を~さらりと話せるあたり知的な御仁です。
米国にはよくあるヘリコプターを使った中小運送業である『サンティーニ航空』の経営者。
ホーク兄弟の父親とは戦友で、ストリングフェローの親代わりになる頼りになる相棒。
アメリカの大人というイメージが凄く良くて羨ましいくらい。
孤独なホークには唯一の心を許せる親友なのですね。
陽気な性格でお話し好きなナイスガイ。 エアーウルフでは副操縦士を務めます。
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『アークエンジェル』
演じた人は、アレックス・コード (吹替は家弓家正)
エアーウルフ開発計画では責任者。 数十億ドルという莫大な予算を政府から引き出し開発を強硬に推し進めた辣腕は鋭どすぎる影の大物。
モフェットの叛乱では、エアーウルフからの攻撃を受けて負傷、左目を失明し左足不随となりました。
CIA特別作戦部長『マイケル・コールドスミス・ブリッグス3世』
彼のコードネームが『アークエンジェル』 大天使 の名を冠する人物。
純白のスーツ姿がトレードマークか?。
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モフェットによって恋人ガブリエル(CIA諜報部員)を殺されたホーク。
エアーウルフのような兵器を国家に返還すれば悲劇は繰り返される…。
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そこでストリングフェロー・ホークは機体を電子妨害でロストさせ、砂漠地帯に隠匿したのです。
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『エアーウルフの返還条件は、ベトナム戦争の最中に行方不明となり未帰還兵の兄セント・ジョンを探し出すこと』を政府側に要求。
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アークエンジェルは『政府のホークに関する情報を教えること』
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そして『CIAの情報網で兄のセント・ジョンを探し出すことを約束』
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代償にホークは『CIAの極秘作戦にエアーウルフを駆り参加する』
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以来、ストリングフェロー・ホークは、エアーウルフで世界各地の事件や紛争を解決していくストーリーです。
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ホークと皆の愛するパートナーわんこ 愛犬の『テット』くん。
ブルーティック・クーンハウンド?という種類らしいのですが。
素晴らしい大自然、湖畔の大きな別荘とホークの静かな暮らし。
テットが癒してくれているのかもしれませんね。
ベル222”は、ノーマルでも迫力を感じる姿なのですが。
(ベル・ヘリコプター・テキストロン社製)
漆黒の機体に塗られると、カッコイイです。
まさしく稀代のスーパーヘリが主役となる物語りでしたね。
あり得ない兵器が艤装されると、驚異の無敵ぶりが東側の防衛ラインを無力化してしまうシーンに圧倒されます。
確かに現代の映像や演出と較べれば大したことではないのですが、劇中での攻撃には迫力満点。
さすが、元軍籍にいたホーク。
時には米軍に潜入作戦も行います。 制服姿が凛々しいですね。
湖畔でチェロを弾くホーク …
彼曰く、湖の上空を飛ぶ大鷲のために弾いているのだと … 。
見事な演奏の腕、パイロットとしても優秀な彼 … ストリングフェロー・ホーク。
操縦には空間認識能力やリズム感の豊かさも必要といいますから。
音感も優れているのでしょうね。
彼のナチュラリストぶりが素敵に映るくらい山小屋”の生活が似合う。
ジャンマイケル・ヴィンセントといえば、サーファー役で映画『ビッグウエンズデー』でも好演していませんでしたか。
SFで『世界の燃え尽きる日』では、ランドマスター号を運転していましたね。
バイク(オフ車)の凄いテクニックも披露していますよ。
第1話で(スペシャル版)、ホークの恋人となるガブリエルさん。
初めは打ち解けない感じでしたが … 愛し合い絆を深めていきます。
ホークの拒絶した態度は、彼女を愛すればこそ。
しかし運命は、あまりに哀しい別れを用意していたのです。
( … 誰だって耐えられません)
悲劇ですね。
コードネーム『AIR WOLF』 A 56-7W.
『エアーウルフ』の驚異的なスペック。 -
機体下部には格納式の3連装ADF(All Directional Firing 全方位回転式)ポッドを装備。
空対地短距離、地対空ミサイルなど多彩な兵器を搭載しています。
核弾頭装着可能となるシュライク長距離ミサイルまで兵装オプションとなるあたり冷戦時代を感じさせますね。
兵装は最新戦闘機のように内蔵式で、攻撃時以外は格納されています。
(いま思えば、余計な突起部を減らしてレーダーへのステルス性に貢献か?)
機体の燃料タンク端から左右にリフトする30ミリ2連装機関砲を1門。
40ミリ単装機関砲1門をセットとして計6門を装備しています。
30ミリチェーンガン、40ミリキャノン砲とも呼称されました。
湖へボートを浮かべ 鱒(マス)を釣るホーク。
男らしいライフスタイルですよね憧れます。
この巨大な岩山がネイティブアメリカンの聖地である『神の谷』
神聖な地であり、誰も近づきません。
普段着のドミニク・サンティーニ。
明るい彼が最高の相棒役だからこそ、エアーウルフは名作になったのでしょう。
この角度から見上げると武装の様子が解りやすいですね。
(腹の白さがクジラみたいな…)
熱源追尾式ミサイルをかわすために、サンバースト(太陽弾)という高熱体を投棄します。
ターボジェットで音速まで加速到達するシーンは夢のよう。
ヘリの乗り降りなど、コックピットもアメ車的でした。
凄いのは内部の静寂性の高さ(テレビ特撮ですけれど)
救急車もサイレン音を内部に響かないように出来れば診断しやすいのですが。
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役者としての彼をあまり知りませんが、いい感じの寡黙な好青年さが似合います。
ヘリコプターが超音速域で飛行する … 現在でも適わない夢の技術です。
この作品だけはリメイクしないで欲しいですね。
以前、DVDが発売されたのは朗報でした(ファンの活躍ですね)。
あのOPテーマが聴こえてくると、懐かしのドラマに没頭ですから^^。
最も危険な兵器と呼ばれる
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エアーウルフ! まさしく稀代の名作でした。
エアーウルフ動画ありがとうございました。
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