【日米開戦 70年目の検証】
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110702/art11070207390003-n1.htm
対米開戦ムードの高まりは激しい英語排斥運動につながっていった。東京駅の「ENTRANCE」(入り口)「WAY OUT」(出口)などの英語標示板が取り外され、職業野球の巨人軍のユニホームも「GIANTS」から「巨」に変わり、エースのスタルヒン投手も須田博と改名した。
たばこもゴールデンバットは金鵄(きんし)、チェリーが桜と改名された。
陸軍は「(外国語)重視偏重の弊風を打破改正せんとするの先駆たらん」として、予科士官学校や経理学校、幼年学校の入試で英語を廃止、歴史は国史だけ、世界地理はアジアだけに変更される。
「対英米関係の最もけわしき今日、もし英語不要論のごときが唱えられるならばそれこそ大いに心得違いである」と津田英学塾の藤田たき教授は批判した。しかし、国民の多くは坊主(ぼうず)憎けりゃ袈裟(けさ)まで憎いように英語排斥を歓迎した。
英語追放運動は芸名にもおよび、「上海ブルース」などのヒット曲を持つディック・ミネは古賀政男が命名した三根耕一に変わる。漫才のリーガル千太・万吉も柳家千太・万吉に改名した。
「巨」だけになった巨人軍。後列左から5人目が須田博と改名したスタルヒン
