新大臣誕生で陛下「夜のお仕事」
愛子さま、久々「スリーショット」で笑顔。
今週は6月27日に閣僚人事があり、細野豪志首相補佐官が原発事故収束・再発防止担当相に就任した。
普段、それほど報道はされないが、新大臣が誕生するのに伴い、皇居・宮殿では必ず認証官任命式が行われる。人事の手続きがずれ込んだあおりで、この日は天皇陛下が臨時の「夜のご公務」を余儀なくされた。
式に先立っては、まずは首相が陛下に対し、新大臣が行う仕事などを説明する(内奏)。27日は、内奏が始まった段階ですでに午後8時。陛下は夕食を済まされていたという。認証官任命式は午後8時半過ぎから行われた。
宮殿では今週、春の勲章と褒章受章者の拝謁も行われた。拝謁は、勲章親授式があった24日の午前と午後、27、28、29、今月1日にそれぞれあった。陛下が毎回正装で臨まれているが、今年は震災の関係で時期がずれ込み、暑い時期の実施となっている。
受章、拝謁だけでたいへんな名誉だが、皇居を訪れた受章者には賜物(おみやげ)もある。
宮内庁によると、中身は「残月(ざんげつ)」という和菓子と、特製の皇室パンフレットだという。実際には省庁の担当者らが持ち帰り、対象者に届くように手配することも多いようだ。
残月は丸い生地を半月形に折った中にあんこが入ったお菓子で、菊の紋が外側についている。園遊会でも同じものが配られているそうだ。
さて、梅雨の時期はうっとうしいが、6月には皇居でホタルが光を発しながら飛ぶ美しい光景が今年も見られた。場所は、竹橋に近い乾門からまっすぐ伸びた、皇居のメーンストリート「乾通り」沿いの側道だ。
この側道には、吹上御苑の森の中からきている水が流れる。ホタルは単純に水がきれいなだけでは生息できず、土や草などに囲まれた環境であることに加え、エサになるカワニナ、モノアラ貝などの貝類が生息できる養分を含む水であることが必要なのだという。
都心の自然の宝庫となっている皇居だが、このホタルはずっとみられていたものではなく、関係者の努力で「復活」したものだ。
宮内庁によると、この場所では昭和48年から56年までの8年間、東京・多摩動物公園で人工孵化(ふか)したホタルの幼虫と、エサの貝類が放された。試みが成功し、ホタルが卵を産むようになって定着したとのことで、ここ数年は多い日で、一晩に200匹から300匹のゲンジボタルとヘイケボタルが見られるようになった。
昭和48年の報道には、この取り組みを始めた理由として、前年夏に陛下が「皇居でホタルは繁殖しないものだろうか」ともらされたのがきっかけ、とある。
ホタルは乾通りのほか、両陛下がお住まいの御所がある吹上御苑でもみられるようだ。こちらのホタルは豊かな自然に恵まれ、遠い昔から生息しているようだが、すでに昭和48年の報道の段階で、見られる場所が減っていると書かれている。今年、両陛下はホタルの光をご覧になっただろうか。
皇太子ご一家のお世話をする東宮職の責任者、東宮大夫の人事が1日、発表された。5日付で新東宮大夫に着任するのは、外務省出身で前駐タイ大使の小町恭士氏(65)だ。
平成18年に皇太子妃雅子さまの治療をかねて、ご一家がオランダで静養された際、小町氏は同国の大使としてサポートした縁がある。
勇退が決まった宮内庁の野村一成東宮大夫は1日の定例記者会見で「これまでの私の経験などを踏まえまして、両殿下をお支えしたいと思っておりますし、東宮ご一家の心からの応援者の1人で今後ともあり続けたいと思っております」とあいさつした。
外務省出身の野村氏は18年4月から東宮大夫に。外務省では、継続しての勤務が最も長かった部署として、マレーシア大使とロシア大使がそれぞれ3年半だったことを紹介しながら、東宮大夫が5年3カ月に及んだことについて、「国家公務員の期間というのは全部で48年になるんですけど、48年の中で一番長い務めになった」と振り返った。
日独交流150周年の関連式典などに出席するため、同国を公式訪問していた皇太子さまは、6月25日午後、政府専用機で羽田空港に帰国された。
お住まいの東宮御所(東京都港区)の玄関では、雅子さまと長女の敬宮(としのみや)愛子さまが、皇太子さまを出迎えられた。
ピンクのワンピース姿の愛子さまは、御所の敷地に入ってきた皇太子さまの車を目にされると、目を輝かせ、笑顔もあふれんばかりに。玄関に車が到着すると、雅子さまとともに深々と一礼し、にこやかに皇太子さまを出迎えられた。皇太子さまのお声かけに、愛子さまが、はにかむような表情でうなずかれる場面もあった。
皇太子ご一家がそろって取材に応じられるのは、昨年11月の御料牧場での静養の際に設けられたJR宇都宮駅の駅頭以来となった。
またこの日、愛子さまは1年4カ月ぶりに、雅子さまの付き添いなしで、学習院初等科に登校された。午前8時前に宮内庁職員とともにご登校。この日は授業はなく、所属する管弦楽のクラブ活動に約1時間参加された。
しかし、月曜日以降は雅子さまの付き添いのもと従来通りのご通学に。野村東宮大夫はクラブ活動への“お一人”でのご登校について「その後、お付き添いは続いており、一つだけの出来事を特出してコメントするのは避けたい」と話した。
各宮家は今週もさまざまな公務を果たされた。
秋篠宮ご夫妻は27日、東日本大震災の被災者を見舞うため、宮城県を訪問された。今回は、秋篠宮妃紀子さまが総裁を務められている結核予防会が健康支援活動をしている縁で気仙沼市を見舞われた。
ご夫妻はまず、津波と火災の被害に遭った気仙沼市内の鹿折地区をご視察。住宅地に打ち上げられた漁船の前で、両手を合わせられたという。
気仙沼市場では水産関係者とご懇談。また、結核予防会が保健師や看護師、臨床心理士を派遣している避難所の気仙沼小学校を訪ね、避難生活を送る人々を励まし、健康支援活動をする関係者をねぎらわれた。
秋篠宮さまは29日、客員教授を務める東京農業大厚木キャンパス(神奈川県厚木市)で講義をされた。30日には、皇居の神嘉殿前庭で、「大祓(おおはらえ)の儀」に臨まれた。
紀子さまは28日、結核予防会本部(東京都千代田区)で、同会の東日本大震災対策委員会に出席された。
高円宮妃久子さまは29日、宮邸で、産経国際書会会長代行と懇談された。

