懐かしい実話 | ゼロの恋愛論~片思い成就から幸せな結婚の方法まで~

ゼロの恋愛論~片思い成就から幸せな結婚の方法まで~

潜在意識や本能を理解し、片思い成就、幸せな結婚、復縁など、女性の望みを叶える唯一の恋愛論

数日前、新聞をパラパラめくっていたら、



「お酒」「人助け」



というバラバラなキーワードが目に飛び込んできた。



そのとき、昔のあるエピソードが突然脳裏にフラッシュバックのように甦ってきた。



すごく懐かしい話だけれど、昨日のことのように思い出せる。



昔から記憶力にだけは、自信があるのだ。



面白い(?)話なので、記事にしてみようと思う。



あれは確か、21歳のころだった。



私はある日、友人と明け方まで新宿で飲んでいた。



酔払った私は、友人と別れ一人駅に向かう。



まだ始発前なので、人もそれほど多くない。



ふと横を見ると、細い路地に若い女性が一人、千鳥足で歩いている。



「あの人、フラフラだな。俺よりずっと酔っ払いだ(笑)」



そう心の中で呟いたとき、その女性がヨタヨタ地面に倒れこんだ。



おいおい。



私は思わず駆け寄った。



「大丈夫?」



返事はない。



「たくさん飲んだの?ここ、女一人だと危ないぜ。」



私の問いかけに、女性は顔をあげずに答えた。



「だ、、だい、大、丈夫で、で、、す。。。」



全然、大丈夫そうじゃない。



というか、かなりやばそう。



もしかして、これは救急車呼んだ方がいいレベルかもしれない。



4月だが早朝だけあってまだ冷える。



地面に寝転がっていたら尚更だろう。




「これ着てな。」



私は着ていたジャケットを女性に被せた。



「ちっと待ってて。」



そう言い残すと、私はコンビニを探した。



東京生まれ東京育ちの人間は、新宿の地形に詳しくないのだ。(私だけ?)



探すこと数分、やっとコンビニ発見。



2リットルのミネラルウォーター、これだけあれば足りるだろう。



女性のところに戻ると、まだ倒れていた。



寝てる?



いや、気を失ってると言った方が正確な表現かもしれない。



「おーい、生きてる?とりあえず、これ飲んでアルコール飛ばさないとヤバいぜ。」



女性はなかなか起きないから、半ば強引に起こす。



「あ、はい。」



よく分からないみたいだが、水は飲んでくれた。



一体どんな状況で飲んだら、女性一人がこんな潰れ方が出来るのだろうか?



「あのさ、ここ危ないから、駅前行こう。」



そこは、歌舞伎町に近い場所だったので、あまりガラがよろしくないのだ。



こんな場所に、フラフラで気絶しかけている女性一人を残して帰るわけに行かない。



「もしもーし。聞いてる?駅前行こう!」



女性はこちらを見ているが返事をしてくれない。



まあ、当時の私はチャラい感じの若者だったから、ナンパだと思われているのか。



「大丈夫。君に危害を加える気はないよ。駅前まで一緒に歩こう。交番あるし、ここよりは安全だと思うから。」



女性はポケーとしてる。



私も、ジャケットがなくて寒いのだ。



ずっとここにいたら、風邪ひいてしまう。



「ねえ。腕触るよ?」



「あ、はい。」



肩を貸して、女性を立たせる。



自力で立ってられないのか、ほとんど私が支えている気がする。



支えるというより、担ぐと言った方が正確かもしれない。



しかも、体重を預けてくれない人を担ぐのは本当に重たいのだ。



割りと細身な子なのに、鉛を担いでるような感覚だ。



駅までそれほど遠くないのだが、かなり時間がかかった。



やっとのことで駅前到着。



身体は普段から鍛えているが、腕が小さく悲鳴をあげていた。



「ふーっ。君、学生?」



「あ、はい。大学生です。」



「そうなんだ。俺、ゼロ。君は?」



「あ、ミカです。」



「ミカちゃん。俺帰るけど、何か怖いことがあったら、すぐ交番に駆け込むんだぞ。もしくは、大声出すこと。そしたらお巡りさん来てくれると思うから。」



「あ、はい。」



「あと、飲みたくなくてもたくさん水飲んで。したら、楽になるから。」



「あ、はい。なんだか、いろいろありがとうございます。」



「いやいや、いいよ。それじゃね。」



「あ、あの!」



「ん?」



「この服ありがとうございました。」



「ああ、大丈夫?寒くないか?」



「大丈夫です。」



「はいよ。じゃあ、酔いが醒めたら、すぐ電車乗って帰れよ。」



「はい^^」



ジャケットを返してくれるとき、初めて笑ってくれた。



なんだ、けっこう可愛い笑顔じゃないか。



さっきの死体みたいな顔とは大違い。



私は、そのまま電車に揺られ帰宅。



んー、おっせかいの人助け(笑)



ミカちゃん、無事を祈るよ。



そして。



この話には続きが。



約一年後。



私の友人に森田剛そっくりなイケメンがいるのだが、その友人から合コンの誘いがあった。



3:3で、場所は新宿。



待ち合わせ場所の居酒屋に、私は少し遅れて行った。



もう合コンは始まっていたのだが、女性はみんな派手目な感じ。



そして、びっくり。



ここまで読んでくださった方は、もうお気づきかもしれない。



そう。



あなたの予想通り。



女性メンバーの一人が、あのミカちゃんだったのだ。



私は席についた途端、笑ってしまった。



友人たちや女性陣は、キョトンとしている。



「あ、遅れてごめんね。ゼロです。君はミカちゃんだったよね?」



ミカちゃんはびっくりした顔でこちらを見ている。



「なんで名前知ってるの!?」



あの日のことを、覚えてないのか。



まあ、君はベロンベロンだったものね。



「いやいや、たまたま当たっただけだよ。君の顔は、もろにミカ顔だから。」



「なにそれ~(^^)」



みんな笑っていた。



わざわざ言う必要はないだろう。



あの日、無事に帰れたから今日合コンに参加できているのだ。



んー、少しは役にたったかな。



完全に自己満な人助け(笑)



以上です