どうも。
ゼロです。
小説「愛と幻想のファシズム」から名前を頂戴したゼロです。
あれは数年前の夕刻、自宅に一本の電話がありました。
そのとき私は、二日酔いで眠っていたのですが、なんとか電話のために、眠い目を擦り起きてきました。
電話に出てみると、相手は女性でした。
でも、誰なのかいまいち分かりません。
名前を聞いても分からない、出会いを聞いても分からない。
犬のおまわりさん状態です。
そこで、
「何か用かですか?」
と聞くと、
彼女の勤務する会社が宝石を扱う会社で、そこのCMを作りたいから、私にアンケートの協力をしてほしいというのです。
「あ、勧誘の電話か。」
と思い、電話を切ろうとしました。
すると、彼女は急に漫画スラムダンクの話をし始めたのです。
私世代の男にとって、スラムダンクは大好きな漫画です。
勧誘の電話だということは忘れないように、私は少しだけ彼女の話に耳を傾けてみました。
すると、どうでしょう。
まあ、トークの上手なこと。
男に女を感じさせる話し方、ときおり甘えるように、たまには笑いもとれるあの絶妙な感じ。
30分も話したら、私の恋人にでもなったような話し方になっていました。
寝起きから、だんだんと頭が冴えてきた私。
「あっ、これはデート商法の一種(電話勧誘商法)だな(笑)」
と、勘づきましたが、彼女の巧みなトークが楽しかったので、更に1時間ほど話し込んでしまいました。
そして、彼女に言われたこと。
「ゼロに会いたい。こんなに、話しが盛り上がる人なんて、他にいないもん。でも、あたしはすごく仕事が忙しくて、ゼロのところまで会いにいけない。あたしの会社まで来てくれたら、すっごく嬉しい。あたしがデザインした、ジュエリーも見てもらいたいし!」
活字にすると、怪しさ大爆発ですが、これをすごく自然に、すごく可愛い声で言われました。
私は、
「ふふふ、来たな。」
と心の中で思い、素知らぬ顔でこう言いました。
「俺だって、○○(彼女の名前)に会いたいぜ。でも俺は・・・ある事情でロシア軍に命を狙われてる身なんだ。。。だから、気軽に外を出歩けない。○○の会社まで、会いに行くことは出来ないんだ。。俺に会いたいなら、そっちから俺に会いに来てくれ。」
こう書くとかなり笑えますが、これを真剣に言うと、彼女はびっくりした様子でした。
「え?えっ?ロシア軍?どういう・・こと?・・・でも、あたし忙しいし、会いに・・いけないよ。。」
お互いに、「会いたいけど、会いにいけない」を主張。
そして、謎にロシア軍が絡んできている、三流映画のような展開。笑
もしも、あの電話を盗聴している人が居たら、クスクスと笑っていたことでしょう。
彼女、後にも先にも、こんな変てこな断り方をされたのは初めてのはずです。
そこで私は、ネタばらしをしました。
実は、途中から気付いていたこと。
トークがあまりに楽しかったから、ずっと話を聞いてしまったこと。
「詐欺」という言葉は使わずに、なるべく嫌味にならないよう注意しながら、伝えました。
彼女は「電話相手をハメようとした」ことは否定してましたが、なんだかホッとしたようなしゃべり方に変わっていました。
あれがきっと素の彼女なのでしょう。
そして、お互いに笑いながら電話を切りました。
彼女が、
本当の悪人でないことを、
もうあの仕事から手を切っていることを、
遠くから祈ります。
そして、あの巧みなトークはどこで覚えたのか気になるところです。
彼女が、私のように「恋愛」や「心理」のブログをやっていたら、間違いなくチェックしてしまいます。
それくらい、達人的なトークでした。
足を洗った後、私のロシア軍ネタで、笑い話でも作っていてほしいものです。
皆さんも詐欺には、十分気をつけてくださいね。
さて、次回は恋愛の詐欺とも言うべき、遊びの恋愛について書きたいと思います。
題して、
です。
ご期待ください。
以上です。