ひとは感応しあう。
同じ空間にいるだけでも。
触れればなおさらダイレクトに感応する。
人々が劇場に足を運ぶのは
『大きな感情を体験するため』
ロシア演劇界における黒澤明のような存在の
ヴァレリーガレンデーエフ先生が言っていた。
言い換えれば、大きな感情に感応するためということだ。
大きく心が動いている状態は感応しやすい。
だから本当にその場で生きている演技が行なわれていない場合、
たとえば目の前の舞台上でケンカが行なわれていても
見ている観客が寝てしまうということが起きてしまう。
本当の家族内のいがみ合いに遭遇し目撃しているときに
眠くなるなんてことは絶対にない。
その場に居合わせたら
いたたまれなくなり
胸が締め付けられる。
昔、蟹江恵三さん主演で死刑をテーマにした舞台を見たことがある。
新宿の紀伊国屋ホール。
最前列でかぶりつきで観ていた。
彼の集中力を試そうと
ガン見するぼくの視線をものともせず
蟹江さんは素晴らしい演技をされていた。
驚いたことに
舞台が終わった後に
拍手がまったく起こらなかった。
つまらない舞台でも拍手をしてくれる
日本の観客においては前代未聞の出来事だった。
演出の意図としては大成功だったと思う。
見ていた人を呆然自失たらしめたのだから。
観客を感応させていたから生じた結果だった。
SEXにおいては
記憶が飛ぶようなオーガズムを感じている女にふれているから
男も官能のピークに至ることが出来る。
そして男女ともがピークに至れば
2人は溶け合い
安心感に包まれる。
自然に官能のピークに至れないひとがドラッグに手をだして
そのピークを得るんだと聞いたことがある。
この最高の安心感に包まれる官能に至るためには
生殖器が成熟して欲情できることはもちろんだけど
お互いを思いやって
愛し合っているということが重要になる。
あなたが好きです。
あなたは大切な存在です。
に感応しあいたいわけだもんね。
感応するのなら
やはり
陽気だったり
元気だったり
温かいものと感応したい。
だから愉気をする場合には
自分が深く、ゆったりとした呼吸で
気が充ちている状態でふれる必要がある。
要は感応させたい状態、
相手を誘導したい状態で
ふれているということが大切になってくる。
呼吸というのは感応しやすい。
感応のひとつの例を感じとってみてください。
俳優・藤原竜也さんの恩師・蜷川幸雄さんの葬儀での弔辞です。
悲しみで大きく心揺れている状態だから
聞いているだけでこちらまで感応してしまう。
15歳で蜷川さんに見いだされ、
以来19年
蜷川さんから愛情を注がれていた藤原さんに感応してしまう。
藤原さんの呼吸に感応してしまう。
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