夜も更けてきたので「3号」の捜索は打ち切った......
次の日、少し早起きして、都市圏に近いほうを調べることにした。
しかし、いいオッサンが、スマホカメラを起動させて、駅をウロウロしている姿はかなり怪しい。朝の6時半とはいえ、駅には女子高生も多いので、ややもすれば通報されてしまう。そんなのは御免なので「鉄道マニア」に偽装するため、意味も無く電車の写真などを撮りつつ、慎重に調査を続ける。
世の中「コンプライアンス」ブームなので、こんな事で人生を棒に振りたくはない。しかし......横文字にすると、カッコよく聞こえてしまうから不思議だ。意味はただの「ルールを守ろう」なのにね。横文字言葉が独り歩きして、攻撃性まで帯びてきている。
『君!それはコンプライアンスだよ!』
てな感じで......。 幸い僕の職場に「コンプライアンス野郎」は居ない。
閑話休題。
「第3号」 いきなり発見である。対不動産付着状態も「2号」と同じ柱の上の方、何かを指し示している訳でも無く、意味不明な孤立感も同じだ。
もう1駅移動する事にした。
新種発見! 消えかかっているが、手書きタイプである。
これは、「7号」を闇に葬って、「3号」を据えたのではないか?
この駅はなにか怪しい、謀略の匂いがする。
ん!
「第23号」......ダブルディジットタイプだ!
「21号」
「20号」 接写し忘れたが、手書きダブルディジットタイプも発見。
うーん......この駅はすごい!新種の嵐だ。
僕が思うに、かつてこの駅は「第〇号」プロトタイプの実験場だったのではないか?密かに、試作「第〇号」達がテストされていた……。きっと宇宙人の協力も得て、未知の技術も惜しみなく投入されたであろう。これはロズウェルだ、エリア51だ。
テスト結果が、密かにシュートされていた?と思われるアナログ通信口。この先は地下の研究所に繋がっていて、通信カプセルが「コトン......」と落とされていた。いや、もしかしたら、いい結果の出せなかった「第〇号」本体がここから......
宇宙語で書かれたメッセージも発見。
「第○号」を巡る調査は、地球さえも飛び出してしまった……。