贈与するゾヨ

テーマ:

毎年ご好評いただいております税理士法人ルベールセミナー☆
今年は『特例事業承継税制』を中心に、いくつか重要なテーマを取り上げてまいります。開催は9月以降を予定しております。

詳細は決定し次第お知らせいたします。

特例事業承継税制とは、ざっくり端的にいいますと、中小企業で事業を承継するにあたり経営者が自分の会社の株を次の代に贈与した場合に贈与税が猶予されるなどの特例が受けられる制度です。詳しくはセミナーにて。

 

それに関連してという訳ではありませんが、今回は贈与税の基本的な部分について大まかに見ていきたいと思います。

 

贈与税は贈与した人ではなく、贈与された人が課税されます。
贈与税法という法律はありません。贈与税は相続税法の中に規定されています。贈与税は相続税の補完税とも言われるように、例えば相続時に多額の相続税がかかることが分かっていれば生前に配偶者や子などに贈与しておいて税負担の軽減をはかることが想定され、生前贈与した人としない人とで税負担の不公平が生じないようにする、つまり贈与に課税することで相続税を補完する役割を果たしているのです。

 

とはいえ、やはり生前贈与は相続税対策の基本です。
相続税も贈与税も、人の財産が別の人のものになった際に課される税で、その課税対象となる財産の額が大きいほど税率が高くなります(累進税率)。
相続税は贈与税よりも、基礎控除(課税されない部分)が大きく、税率も低いので、仮に、子や孫に財産をいっぺんにドーンと全部あげてしまったら、相続税よりもずっと高額の贈与税が課税されて、節税どころか逆効果になります。

 

ただ、人生は一度、つまり相続も一度です。

しかも人がこの世を去るタイミングを計画することはできません。
ですが、贈与は元気なうちから計画的に何度でもできます。
贈与税は(相続時精算課税を選択しなければ)暦年課税なので年単位で税額を計算します。
贈与税の基礎控除は110万円なので、生前に何年にも分けて毎年110万円以内におさまる額で贈与すれば、税負担なしに相続財産を減らすことができますし、110万円を超えた金額を贈与しても、将来想定される相続税の税率よりも低い税率の範囲で贈与すれば、やはり相続税対策になります。

 

贈与税の至って大掴みな説明は以上です。

続いて、以下に贈与税のキーポイントをいくつか挙げていきます。

 

・名義預金にご注意
例えば、祖父母が孫名義の預金口座を作って定期的に入金してあげるという生前贈与は多く見られますが、多額のお金をあげたものの、それを孫が無駄遣いしてはいけないと思ってその口座を祖父母が管理していたら、名義は孫であっても実際に贈与は成立していないので祖父母の財産のままです。
生前贈与と孫の無駄遣い防止を同時に実施する工夫の一例として生命保険があります。

贈与契約書を作成し、通帳や届け印を孫に渡し、孫の口座に入金するとともに、孫が契約者、被保険者、受取人となって長期の定期保険や個人年金や養老保険など返戻率の高い保険を利用する方法です。
支払った保険料の総額よりも受け取る金額の方が多ければその差益が一時所得または雑所得として所得税の課税対象となりますが、これにより最小限の負担で目的を達成できると言えるでしょう。

 

・相続開始前3年以内に被相続人から贈与された財産は相続税の課税対象になります。
余命1ヶ月と宣告されてにわかに贈与しても相続税対策にはならないということです。
当然、贈与の時点では贈与税の課税対象ですが、この贈与財産は相続税の計算上、相続財産に含められ、相続税額からこの分の贈与税額が控除されます。

 

・教育資金贈与の非課税
父母や祖父母から子や孫が教育資金の一括贈与を受けた場合、1,500万円までは贈与税が非課税となる制度です。
もともと、扶養する親族への生活費や教育費は贈与の課税対象ではなく、その贈与は必要な都度行うことが前提ですが、それと違うのは将来の分まで一括で贈与しても贈与税が非課税となる点です。
金融機関に開設した「教育資金口座」で資金が管理され、資金を引き出したら教育費の領収書を金融機関に提出し、申告は金融機関を経由して「教育資金非課税申告書」を税務署へ提出します。
タイムリミットがあり、受贈者(贈与された人)が30歳になるまでに使い切らずに残ってしまった場合、その時点でその残額に贈与税が課税されます。

 

・結婚・子育て資金贈与の非課税
父母や祖父母から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合、1,000万円までは贈与税が非課税となる制度です。うち結婚資金は300万円までです。
(この制度の運用は上記の教育資金贈与と似ています。)
もともと扶養する親族への結婚費用や出産費用は贈与税の課税対象ではなく、その贈与は結婚や出産のたびに行うことが前提ですが、それと違うのは将来の分まで一括で贈与しても贈与税が非課税となる点です。
金融機関に開設した「結婚・子育て資金口座」で資金が管理され、資金を引き出したら結婚・子育て費用の領収書を金融機関に提出し、申告は金融機関を経由して「結婚・子育て資金非課税申告書」を税務署へ提出します。
年齢制限があり、受贈者は20歳以上50歳未満が対象です。

 

・配偶者控除の特例
20年以上の婚姻期間がある夫婦が、居住用の不動産を配偶者に贈与した場合、2千万円までは(暦年課税の基礎控除額110万円をプラスするとトータルで2,110万円まで)贈与税が課税されないという制度です。
ここで注意すべきは、例えば、夫から妻へ現金2千万円を贈与して家を建替える場合、現金を贈与した日の翌年の3月15日までにその新築の家に居住することが要件の一つとなっている点です。登記を済ませ、住民票を移し、実際に電気ガス水道のメーターが回っていなければなりません。
諸々の事情で工事が遅れてしまうこともあるかも知れません。それでもこの特例が受けられたケースもあるようですが、リスクに備えて完成引渡の時期は余裕をもった方がいいでしょう。
なお、居住用家屋のうち土地の一部を持分で贈与したような場合でも、この特例の対象となります。

 

・住宅取得資金贈与の非課税
子や孫が住宅を購入するための資金700万円までは(暦年課税の110万円をプラスすると810万円まで)贈与税が課税されないという制度です。(家屋の種類、契約日によって条件が変わります。また、消費税率10%においては非課税限度額が上がります。)
新規に住宅を取得するための資金に限られます。したがって、例えば既存の住宅ローンを払ってあげるのは対象外です。
要件としては、これも、贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅を取得し、その家屋に居住すること又は遅滞なく居住することが見込まれることとなっており、いずれも期限内に申告することで適用されます。


※あくまで参考としていただくため概要をピックアップして記載しています。
 実際の適用にあたりましては個別にご確認くださいますようお願いします


 (大畑)


税理士法人ルベールHP
http://www.lver-tax.com/


税理士法人ルベールFacebook
https://www.facebook.com/ageo.lver.zeiri/?fref=nf