「最後の禅師」と言われた、沢木興道 先生の「禅に聞け」より

先日も書きましたが、この本、とても良く一言一言が深くて、また読み返ししております。
中で、印象に残った道元禅師のお話、言わずと知れた日本仏教界の巨星、スーパースター
の一人ですよね。
私も高校日本史くらいの知識しか有りませんが、日本仏教界の巨星と言えば、初代は聖徳太子(仏教を持ち込んだ方と言う意味で)、から最澄、空海、法然、親鸞、日蓮、栄西、道元さん辺りになろうかと思います。ま、もっと色んな高僧もいらっしゃるでしょうが一般人にもメジャーな所として。

さて、本の中で沢木禅師は、道元禅師は、他の方々に比べて人気が無い、と言っておられ、そこがええんじゃ、と言っておられます。

何故道元さんは人気が無いか?
まず、霊験(奇跡の様な力)が全く無い、伝説めいた物も全く無い。(他の開祖にはある程度伝説がありますよね)更に、一般人に対して御利益を示さない、事が理由の様です。確かに普通の仏教では、(いや、仏教に限らず宗教一般では)厄除けや御利益、或いは死して極楽浄土、など少なくとも、この本尊をきちんと信仰すれば、御利益がある事を明示してますね。
しかし、道元さん、心身一如、身と心は不可分であり、心だけ分離したりしない、と身も蓋もなくピシャリと、よって、心だけが極楽、天国へ行く事は無い。あの世とこの世、別れて2つの世があるわけでは無い、この世が全て、とまたまたピシャリ。
幸運や死後の浄土など、不毛な期待を手放す事が仏教であり、ただただ坐禅しなさい、それのみが修行だ。(私の私見の為、正確性は保証しません)
いや、確かに一般人には人気が出ないわなー。
兎に角、一瞬一瞬を無駄にせず、きちんと生きて、きちんと死になさい。とすご~く当たり前なのです。

色々考えさせられますね。