恩田陸氏の場合はかなり多いですね。
本書の主人公も、女子高生です。
そして、ハイティーンが主人公の場合、
彼ら彼女らは大抵ミステリアスな秘密を持っている。
「蛇行する川のほとり」は、恩田陸が描く世界観の
ひとつの類型を示していると思います。
ただでさえ思春期の少年少女たちは、お互いの微妙な関係
つまり、学校という時空が終わってしまえば、
おおかた解消されてしまうような刹那的な関係であることに
気付き始めていると言えます。
そこに加わる何らかの「秘密」が、彼ら彼女らを
強制的に大人へと、男へと女へと変えてゆく。
おそらく、作家恩田陸氏が追い求める、ひとつのテーマなのでしょう。
この手の小説の場合、決着があいまいである印象を受けることが
多々あるのですが、本作はしっかりと結末を見ることが出来ますので、
同様のテーマでいえば「夜のピクニック」と共に、
恩田陸入門編として最適な一冊なのではないかと思います。
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