書かれておりますが、私の感想としては全然超えてないと思います。
はるか遠く、後ろ姿も見えません。
最大の問題は、この小説の中で発生する出来事が、
すべて中途半端にしか語られないことにあると思います。
もちろん、話のオチをつけさえすれば良いというものでは
ありませんが、出来事の表層しかなぞっていない状況で
作品が終わってしまうのは論外です。
唯一、決着のついた主人公・碧李の妹・杏樹の話にしても、
なぜそういう結末に至ることが出来たのか、
私には全く理解できませんでした。
どうやって解釈したらよいのか、どこにその結論を導くための
手掛かりがあったのか、お気付きになられた方は是非教えて欲しいです。
どこを見逃したんでしょうか…。
それから、文章もやや破綻気味だと思います。
特に視点のブレが気になりました。
基本的に、いわゆる「神の視点」で描かれている作品ですが、
何回か、登場人物の視点が混ざってきます。
私は必ずしもひとつの視点で終始一貫しなければいけないとは
考えていませんが、「神の視点」と登場人物の視点の
"出し入れ" は重要だと思うのです。
本作品では、その "出し入れ" が不自然に感じました。
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