◆G種(DM) 猫の泣き声2/2 | 雑種犬 G種ディアミリ/テニミュリョ桜王子/DCジンシェリ・秀明 等小話ブログ

pixivアップ予定の一部

 

「ミリアリア…」



独りきりの牢獄での2カ月間は、俺の人生観を丸ごと変えるには充分だった。誰だって死ぬのは嫌だ。誰にも必要とされないなんて辛い、存在が忘れられるなんて哀しい。仮にこのままザフトに戻れないまま死んだとしたら、俺の人生は一体何だったんだろう…。

唯一俺の救いだったのは、食事を運んでくれるミリアリアだった。襲ったことへの罪滅ぼしのつもりだったのだろう、もう敵意は感じられなかった。彼女にまで見捨てられたら、俺は本当に死ぬかもしれない。彼女が来る度何かと声を掛けて引き止め、少しずつ話をするようになり、少しずつ彼女のことを知っていった。



初めてそれを意識したのは、唐突に捕虜から解放された廊下でだった。

「こんなことになっちゃって、ごめんね」
「待てよ!…お前も戦うのかよ?」
「私はAAのCIC担当よ?それに、オーブは私の国なんだから」

泣いていた頃、檻の中では気付かなかったが、美しい青い空のような瞳だった。本来強い女の子だったのだと、やっと分かった。
それでも守りたいと思った、俺がこの手で。ザフトを裏切ることになっても、もう2度とイザークに顔向け出来なくなったとしても…。全てを捨てて、AAと共に戦う決意をした。

でも実際は、俺の方が彼女がいなくては駄目になっていたのだとじき気付いた。彼女がいなかったら、今の俺に戦う理由も存在価値もない。こんなたったひとりの女の子が、俺を殺そうとし、その直後に身を挺して守ってくれた女の子がの存在が、今の不安定な俺の根底を支えているのだ。

→pixiv予定
 

 

 

テニミュドリライ!!!最高!!!