さあ、いよいよ主テーマである「父親超え」編といってもいい「範馬刃牙」ですよ。このシリーズもなかなかエピソード豊富なんですよね。
その中でも何かと(ネット上で)話題になった話に、カマキリとの対決シーンがあります。もちろん実物と戦う訳ではないですよ。あまりにもシュールすぎます。
あくまで想像上なんですけど、イメージする力を膨らませて、あたかも実在するかのように戦うのです!
えぇ、えぇ、可能ですとも。イメージ力が強ければ傍から見ても見えるのです。こっちはこっちでかなりシュールです…。
もともと「グラップラー刃牙」の頃から、イメージ力に関しては繰り返し描写されていますね。
「シャドーボクシング」の進化系みたいなイメージなのでしょう。この描写は賛否が分かれるみたいですね。
今回「範馬刃牙」では、子供たちに説明する形で、イメージが実際の肉体に及ぼす影響について説明しています。
「梅干しやレモンを口の中に入れたイメージをすると、口の中に唾液が出てくる」ことを例にしていますが、わかり易いと思います。
そこで刃牙はシャドーを行うのですが、私にははっきり言って不満があります。
「今更ボクシングの世界チャンピオンクラスをリアルにイメージしても、意味無いじゃん。デコピン一発で倒せるでしょ!少年編でも、最後それくらいには強くなっていたよね!」ってこと。
あまりにも強さのインフレが急速すぎて、いつの間にか「スーパーサイヤ人」化してしまったことで、
この作品の魅力である「100%フィクションって訳でも無い」という微妙に危うい立ち位置が揺らいでしまうのが、残念です。
そんな私の思いをよそに、刃牙は自宅の地下室で、体重100kgのカマキリと死闘を繰り広げます。
はじめ人間として戦っていた刃牙は全く歯が立ちません。しかし、次第にカマキリ対カマキリのイメージに変わり、最後はカマキリ対鳥のイメージで勝利をおさめます。
何かモヤモヤしますが、とりあえずやったね!
がしかし、その世紀の死闘に勝利した刃牙に対し、父勇次郎は、
「殺されもせぬ、喰われもせぬ、いかに巨大化しようが想像はあくまで想像」「実物の仔犬にも劣るシロモノよ」と切って捨ててしまいます。
…ってそりゃないよ。こっちも強い意志力で読んでいるのに。
ちなみに勇次郎は少し前に、突然現れた通常の10倍を超える巨大な象を素手で屠っています。
こっちはリアルな戦いです。えぇ、間違いないです。