雨が降ったり止んだりと、4月も相変わらず野暮な居心地の春である。
退屈な日々に刺激を求めたい時に、胃袋が欲するのは、やっぱし、カレーに尽きるだろう。
ってなワケで今回は、
『4月のコラボカレー大会(ダイカイ)』
と銘打って、いろいろ食べ比べてみたい。
先ずは、松屋系列の24時間体制のカレーチェーンの強豪
『マイカリー食堂』
から威勢良くスタート。
名店ソレイユを監修に招き、限定カレーをリリースし、春ならではの豪勢なコラボを展開し、話題を集めている。
せっかくなので、
ビーフカレーをライス大盛・中辛¥900でオーダーし、夜勤明けの朝カレーをリッチに嗜む。
ジックリ煮込んだ牛肉がホロリと柔らかく崩れゆく儚き旨味に、スパイスが適度に鼻腔を突っ突く適度なクセが奥深く、和の佇まいを感ずる欧風カレーの貫禄に酔う一皿と云えよう。
対象的にガツンとクセの振れ幅をフルスイングして展開するのが、スパイスカレーの重鎮としても名高い我らが
『松屋』
である。
今回は、松屋の十八番芸・チキンごろごろカレーシリーズを北インドカレーで手掛けた
『チキンマサラカレー¥890』
を発表。
巧みなる引き出しを魅せつけ、リードする旗手として活躍している。
醍醐味の豊富なスパイスから成す刺激の融合と、柔らかチキンが育くむ圧巻なボリュームは、カレーの発展の扉が開き、輝きが溢れて止まない。
気軽に本格的インドカレーを堪能できる才能に、とにかく驚き、スプーンが一気に疾走する勢いに乾杯したくなる完成度と云えよう。
そして、トリは、やはり、カレーチェーンの真打
『CoCo壱番屋』
へと辿り着く。
此方もスパイスカレーの発展が目覚ましいが、今回は、インド系や欧風系とは全く異なるベクトルで、台湾料理とのコラボを実現したから驚きだ。
其の名も
『魯肉スパイスカレー¥1070』
せっかくなので、トッピング枠から
パリパリチキン¥326
&
うずら卵駆使フライ¥131
と、勝手気ままにカスタマイズを敢行し、ガッツリ実食。
具の主軸は、デッカく柔らかい豚角煮が圧倒的存在感を放つ。
要のルーは、トロミが少なくサラサラ系で、刻んだシイタケやタケノコ、高菜etc個性的な布陣が揃い、意外と合うのが面白い。
スパイスは、八角やクミン、五香粉(ウーシャンフェン)などの香辛料が効いて、中華ならではの鼻腔のくすぐりが、新鮮な驚きとして、旨味の層と重なり合う。
おかげで眠気が一気に覚めた。
カレー道の奥深さをしみじみ実感する春なのであった。
では、最後に短歌を一首
『春入りて 華麗なる道 踏み入れば 海の向こうの 旅ぞくすぐり』
by全竜