頭の靄がなかなか晴れず、いつもより長い不快症状に辟易する。まあ気長に行くしかあるまい。就寝前にリラックスするため、処方箋によりイタリアの重鎮プログレバンド、バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソの通算6枚目「最後の晩餐」(1976)を聴く。この作品は、EL&P主宰のマンティコア・レーベル通算作目となる。キリストの最後の晩餐をモチーフにしたコンセプト・アルバムである。昔このバンドの楽曲を初めて聴いたときは、自分には複雑過ぎてよく分からなかったのだが、オペラのようなボーカルの流れに心を委ねてみると、とても心地よく魅力的な音楽だという印象に変わった。歌に合わせて、各楽器が舞台装置のように展開するみたいな感じである。強いて近い印象のバンドと言えばGentle Giantだと思うが、GGの方がリズムセクションの骨格が明瞭で分かりやすい印象はある。本作品では2曲目の「蜘蛛」、4曲目の「スローガン」が好みである。