negai 51―潤25 | 青のパラレルワールド物語

青のパラレルワールド物語

青さんが登場する空想小説を書きます。ご本人様とは一切関係ありません。
腐話もありますので苦手な方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

「飛び降りた?

大野さんの幼馴染?」

 

俺は、子供みたいに理事長の言葉を繰りかえす。

 

「あの、教室棟の屋上にきちんとカバンと白い封筒が置かれていた。

あれは、今日のように朝から日差しが眩しい夏の朝だった。

 

彼が倒れていたのは、ここだ。

ちょうど、花壇の真ん中。

 

私が見つけた。」

 

じっと、ジニアが満開の花壇を見ている理事長。

その顔は苦しそうに歪んでいる。

何かを知っているんだ、東山理事長は。

 

「だから、大野さんはこの花壇を作ったってことですか?

たしかに幼馴染を亡くすってつらいです。

だったら、特におかしくはないでしょう。

でも、そうじゃないのですね。

これは大野さんから二宮さんに向けた、

同時に俺にむけたメッセージのでしょう。

そうですよね、東山理事長。

大野さんは後悔していることがあるって

泣いていた。

それは彼の、二宮さんのことですね。」

 

俺は、理事長の背に手を掛けた。

なんでもいい、答えてくれ。

知っていることをおしえてくれ。

 

「松本君」

 

理事長が俺の肩を掴んだ。

 

「君はそうしてそんなに知りないのだ。彼のことを」

「うっ・・」

 

返事に詰まった。

言ってもいいのだろうか、俺たちのこと。

俺は構わないけれど、

あんたは、ばらされたくないかもしれない。

黙り込んだ俺に理事長はそれ以上聞こうとはせずに

しゃがみこんで、花壇から花を一輪折り取った。

 

「月下美人ははかない恋。

じゃあ、ここの花たちは?」

「えっ?」

 

そうだ、この花たちの花言葉だ、

それを調べろということだ。

 

「大野君の二宮に対する想いと、君へのメッセージ」

 

独り言のように呟く理事長。

急いでスマホを操作していた俺の目は

信じられないものを見て止まった。

 

ジニアは遠い友を思う、変わらぬ想いなど、

きっと彼のことだろうってすぐにわかった

だけど、これは・・。

シロツメクサって四つ葉のクローバーじゃないのか、

幸せの象徴じゃないの?

 

復讐・・って・・

誰に、どうして・・

俺は、理事長を縋るように振り返った。

 

「大野くんが何をしようとしていたのかは、わからない。

しかし、これが彼からの君ら二人へのメッセージだ。」

 

冷静な理事長の言葉に俺は、必死に訴えた。

 

「だけど、何か、何か理由があるはずですよね。

そもそも、どうして二宮という人が、自ら命を絶ったのですか?」

「それも、私は知らない。ただ・・・」

 

言いにくそうに顔を歪める理事長に俺は何度も頼んだ。

 

「お願いします。

何でもいいんです。

知っていることをおしえてください。

 

お願いします、東山理事長」

 

理事長は一度俯いた後、意を決したように顔を上げた。

 

「彼は、ある、裏組織と関係があるとうわさされていた。

私には全く信じられない内容だったけれども」

「裏?組織?」

「高校生、それも男子生徒を使った援助交際の組織だよ」

 

 

 

 

 

こんばんは、ざぼんです。

今夜は旅先で上げてます。

日曜日の会合に参加するのに合わせて旅行に来ています。

それで、次の話ですが、順番では翔、

それも流れ的には限定ですが、さすがホテルじゃねぇ~

どうなることか・・・不明です。