「深泥池(みぞろがいけ)」 の紹介 --- 国の天然記念物 --- 

今から14万年前の深泥池は京都盆地の北端にある連山の谷で、しかも谷頭から谷出口までが600mほどの小さなものでした。 この谷の西側には鴨川が流れ鴨川扇状地を形成していますが、その土砂はこの谷の出口にまで到達し自然堤防となり沼地化していたと考えられていいます。 この沼地(せき止め性湿地)の状態は、自然堤防の上に人の手によって築堤(約2m)される約1,500年前まで続いていたことがわかっています。 築堤されてからは湿地は溜め池となり、ほぼ現在まで大きさ(周囲1.6Km/9ha)は変わっていません。 ただし、溜池となった時、季節によって浮き沈みする3haの浮島が誕生したと考えられています。この浮島は14万年前から連綿と生き続けている北方系の植物であるミツガシワやホロムイソウ・食虫植物など希少な植物も生育しています。また、開水域には南方系の植物であるタヌキモなども生育する珍しい貴重な池となっています。

この池は1927年(昭和2)に「深泥池水生植物群落」が国の天然記念物に指定され、さらに1988年(昭和63)には指定対象が「深泥池生物群集」に拡大されました。

2026年は深泥池が国の天然記念物の指定を受けて100年目の節目を迎えます。(田篭)

 

※ 10月掲載日1日、8日、15日、22日

 

--10月1日・早朝雨のち晴れ・水位-1.5cm・南堤気温24℃(13:00) --

・暑く長かった夏も終わり、ようやく秋めいてきました。

・本格的にサワギキョウやヒガンバナが咲き出しました。

 

1)~3)タヌキモ・ヒメコウホネ・カガブタの花はまだ咲いています

1) 10月の深泥池

2) タヌキモ・ヒメコウホネ

3) ガガブタ

 

4)~6)サワギキョウが勢いずいてきました

4) 南側水路のサワギキョウ

5) 南堤横のサワギキョウ

6) よく見ると、先に咲いた下の花の雄しべは先端が開き花粉を放出した様子。

  後に咲いた上の花は雄しべの先端が閉じています

 

7)8)池北西部の大丸山から見た深泥池

7) 浮島 

8) 深泥池北西部のミツガシワ群落

 

9)10)お彼岸過ぎて咲き出したヒガンバナ

9)

10) 

 

 

 


--10月8日・曇りのち雨・水位-3.5cm・南堤気温14℃(7:00) --
・今週は急に秋がやってきました、初秋風なのになぜか体にこたえます。

・早くもインフルエンザが流行しています。

 

12) 初秋風吹く深泥池

 

13)14) 南堤のカキノキ

13) ここに住んでいた前の住人が植えていたのでしょう

14) 甘柿と渋柿と育っています

 

15)サクラタデ

 

16)17) 南水路のナガバオモダカ(外来種で駆除の対象)

16) 多年草で冬も完全には枯れず、厄介な植物です。

17) 葉は茶色く勢いは衰えているもののまだ花を咲かせています

 

18)~24) 「イノシシのしわざ?」ここでは姿を見たことはありませんが、地面が広範囲で荒らされています。

アナグマやイタチがこんなに広範囲を荒らすのでしょうか?

18) ここにはミヤマウメモドキなどの貴重な植物が生育しているため人が入らないようにロープを張っているのですが、やはり獣には効果ありません。

以前ここにたくさん生えていたトウゲシバは絶滅しました。

19) 元々は無かったのですが最近、オオミズゴケがいい調子で生育していたのですが

20) ヌタうちをしたヌタ場。 シカ or イノシシ?

21) 深泥池の北側も重要な場所です。

  北側の水は総て浮島や北側水路を通り南西開水域へ流れていくからです。

22) 幅広く荒された湿地が続きます

23) 地中を通る電気系統のケーブルが通るマンホールも掘り返されてす。危険!!

24) まるで重機で掘り返したようなあと。

浮島で同じことが起こっていなければよいのですが。

 

25)26)ウメモドキが赤い実が生っていました

25)

26)

 

 

--10月15日・ 早朝雨のち晴れ ・ 水位-1cm・ 北区気温13℃(6:00) --

・10月6日から最低気温が15℃を下回る日が出てきました。

・例年通り浮島では紅葉がはじまりました。

 

27)秋に咲く花、サワギキョウはもう暫く楽しめます

 

28)南西開水域の小浮島にクロガネモチが赤い実をつけています

     「苦労せずに金持ちになる縁起物の木だとか!!」

 

29)30)深泥池ではじめに赤く紅葉するのはナンキンハゼ

29) 倒れたヤナギの木の横にナンキンハゼが育ってきました。柳が倒れた後に生えてきたと思うのですが、こんなにも育ってきました。もともとナンキンハゼは外来種で浮島にはありませんでした。

30) 浮島のナンキンハゼは鳥が種を運び実生で育ってるようです。この木はシカが食べないので浮島や池の周囲でもずいぶん増えています。これも心配の種です。

ちなみに、深泥池で一番大きなナンキンハゼは池北東部の巨大なメタセコイアの東横に育っています。一番古い株かもしれません。

 

31)32) 浮島の紅葉はじまる

31) 浮島南東部付近

32) 浮島北西部付近

 

33)34)キンモクセイの花が咲き出しました。良い香りが付近一帯に広がります。

33)

 

35)コブシの実がはじけています

 

36)~38)

36) 病院の旧排水構横の地面(湿地)が掘り返されていました。

37) 排水溝の基礎部分まで掘り返しています 

38) 掘り返してエサを探し、さらにヌタ場にしているようです。

   いったい何頭の仕業なのでしょうか?

 

 

-- 10月22日・ 快晴 ・ 余水吐水位-2.5cm・ 南堤気温12℃(8:00) --

・21日から寒気が入り気温が下がってきました。朝晩の冷え込みは紅葉を進めます。

・22日は京都の「時代まつり」、年によっては暑かったり寒かったりのする時期ですが、今年は丁度よいお祭り日和でした。

 

39)~44)浮島の紅葉はピークを迎えています。周囲の山々はまだまだですが。

39) 朝日は浮島の北西から広がります

40) 7時半ごろようやく高山の麓まで朝日がさしてきました

41) 浮島のシュレンケでは草紅葉がきれいです

42) 浮島北部のビュルテの紅葉

43) 浮島北部のビュルテの紅葉

44) 浮島南東部のビュルテの紅葉

 

45)今年最後のヒメコウホネ

 

46) 水面ではジュンサイが紅葉してきました

 

47)駆除の対象になっているオオバナイトタヌキモは、今でもたくさんの黄色い花を咲かせています

 

48)南側堤防のソメイヨシノは紅葉が始まったところです

 

49)浮島の紅葉越しに亀岡・園部盆地の雲海が見えました。

冷え込んでいるのでしょう。