アメリカで臨床をする上で、当然アメリカの医師免許試験に相当するUSMLEに合格する必要がある。


USMLEはStep1、Step2clinicak knowledge, Step 2 Clinical skills, Step3の4つの試験からなるが、日本人にとって一番の難関はおそらくStep1の医学基礎であろう。

それぞれのStep、受験には10万円程度の受験料がかかり、Step2 CS, Step3に関してはアメリカでしか受験することが出来ないので、旅費が必要になる。日本人が全てをクリアするのにはおそらく100万円は少なくともかかると思われる。試験も日本の国家試験ほど簡単ではなく、それぞれのステップ受験時間が7時間以上を要し、英語と不得意とする日本人にとってはなかなか厳しい。

ただ、それでもアメリカでの臨床経験というのは、それだけのお金と労力を費やしても、それに値する。

心臓外科に限っていえば、手術数という明瞭な違いがあるが、その他内科系に関してもその教育はEBMに基づき、システマチックで日本の行き当たりばったり的な研修とは大きくことなる。


自分の同級生に関して言えば、僕の大学卒業者およそ85名のうち、学生時代にUSMLEを勉強していたのは僕を含めて5名。うち、4名が卒業後実際にアメリカで臨床を行っている。2人は既にそれぞれの分野でアテンディング

として活躍している。


日本全体の医師のうちどれだけが海外を意識して、臨床留学をするのかわからないが、日米の教育を経験した僕としては、現役医学生たちにアメリカでの臨床研修を強くお勧めしたい。