日本経済新聞が25日の夕刊で、政府が文化庁を全面的に京都に移転すると伝えている。官僚の抵抗が伝えられていたので驚いたが、ちょっと立ち止まって考えなければならない。中央省庁の地方移転は本当に地方のためになるのだろうか。そして日本のためになるのだろうか。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS25H0O_V20C16A2MM0000/?dg=1
政府はかねて中央省庁の地方移転を検討しており、その目玉候補として文化庁と消費者庁が舞台的に検討されてきた。文化庁については官僚の抵抗を受けて京都への一部移転に留める方針だったが、東京一極集中の緩和を印象付けるため、全面移転に踏み切るという。
確かに京都には文化財が多いし、実際に国宝の約5割は関西にあるという。文化財の保護行政を京都に移すことでメリットはあるだろう。
ただ、文化庁の仕事は文化財の保護だけではない。京都に移すことで、著作権や宗教、日本語教育などその他の業務に支障が出ないのか、疑問はある。
さらに、徳島県への移転が検討されている消費者庁については、そもそもメリットがあるのかどうかもわからない。消費者保護行政は経済産業省をはじめとして他の省庁とも密接にかかわる。移転先は雇用が増えて嬉しいだろうが、それだけで終わっては困る。
そもそも地方分権の本命は中央省庁の機能の地方移管であり、地方移転ではない。地方に移転しても、官僚による全国画一的な行政が続けば非効率性は解消されない。本当に地方を創生していくには、地方に機能と権限、財源を渡すべきである。
自民党が進める地方移転に対し、明確な対案を示す野党はないものか。民主党と維新が合流してできる新党にこそ、その役割が求められている気がするが。