政治ニュースを理解するための基礎知識~統一地方選編~ | 山本洋一ブログ とことん正論

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元日経新聞記者が政治、経済問題の裏側を解説!

 日本維新の会が分党を決め、政界再編の動きが慌ただしくなってきました。野党のキーパーソンたちが焦るのは来年4月に「統一地方選」があるからです。一般の方にとってなじみの薄い統一地方選ですが、政局上は大きな意味を持ちます。知れば政治ニュースがもっと面白くなります。


 統一地方選は4年に一度、4月の第二日曜日と第四日曜日に全国の自治体で一斉に首長選と議会選挙を行うもの。戦後、日本国憲法の施行を控え全国で一斉に地方選を実施したのがきっかけです。その後も選挙への関心を高めて投票率を上げたり、選挙の事務コストを抑えたりするのに有効だと判断し、なるべく地方選の日程をこの統一選に集中させようとしています。


 前回は東日本大震災直後の2011年。当時は原発事故を巡る菅内閣の対応に批判が集まり、民主党が全国で大幅に議席を減らしました。その反動で自民党や、生まれたての「第三極」が勢力を伸ばしたのです。


 前年の参院選で躍進したみんなの党は神奈川県を中心に、全国で多くの新人議員が当選。愛知県では3月の名古屋市議選も含め、河村たかし氏率いる減税日本や大村秀章氏率いる日本一愛知の会が躍進しました。大阪維新の会が府議会で過半数、大阪市議会で第一党となったのもこの時の統一選です。


 次回は2015年なので、来年です。4月の第二日曜日に都道府県や政令指定都市の首長選と議会選、第四日曜日に政令市以外の市と町村、東京の特別区の首長選と議会選を一斉に実施します。来年の場合は412日に前半戦が、26日に後半戦が行なわれる予定です。


 「あれ?うちの自治体はこの前選挙やったばかりだな」。そんな方もいるでしょう。戦後、全国の自治体を対象にしていた統一選ですが、様々な理由でズレが生じました。例えば首長が任期途中で辞職したり、亡くなったり、市町村合併に伴って議員が失職すると選挙時期が変わるのです。


 東京都の猪瀬知事が昨年辞任し、今年2月に舛添要一氏が当選したのも記憶に新しいところ。3年前には名古屋市議会がリコールによって解散されたこともありました。こうしたことが起きるたびに選挙日程はずれるわけで、統一選で実施する地方選の割合「統一率」は前回時点で27%となっています。「統一」といいながら、地方選のおよそ4分の3は別の日程で行われているのです。


 とはいえ都道府県では茨城、東京、沖縄を除く44道府県の議会選、政令指定都市でも静岡、名古屋、北九州を除く17市で議会選が行われるなど注目度の高い選挙が集中します。



 地方議員は国政選挙の際の、いわば「実働部隊」。国会議員の選挙区は広く、候補者やその秘書だけでは回りきれないため、その党の地方議員たちが実際に動くのです。多くの重要な地方議会選が行われる統一選はそのまま国政選挙の結果にもつながるため、野党のキーパーソンたちは今、焦りを募らせているのです。



 地方選でも候補者の名前を覚えてもらうために、一定の準備期間は必要です。政界再編が今年中に行われるか、それとも来年以降にずれ込むかというのは、次期国政選挙の行方をも左右する、重要な岐路なのです。