ハウジング設立

 

土田健三の土田不動産は、地道な経営で開業当初から順調であった。ところが、知人からの依頼で、数棟の賃貸物件を所有してから、資金繰りが悪くなってきた。

 

購入した物件は、すべて満室であったが、購入資金をすべて借入で賄ったため、家賃収入だけでは、借入金の返済が困難になった。

個人の決算で、購入した建物部分は減価償却費として経費になり、借入金の元本に対応させることが出来る。

ところが、土地部分は減価償却できないため、その分の借入金の元本がキャッシュアウトになるだけで、経費にならない。

 

利益は出るが、お金がない。所得税などの納税資金もない。納税しなければ、新規で借り入れもできない。ないない尽くしである。

 

健三は、さっそく聖一に相談した。

 

聖一は、健三から渡された決算書を見ると、「よし、俺が買おう。」と言った。

 

健三は、「えっ、マジで。」とびっくりすると、「うん。買う。俺なら何とかやれる。」と、聖一は何でもないような顔をして言った。

 

「まず、会社を興して、そこで買う。その代わり、健ちゃんは従業員になって、これまで通り、不動産業をしてもらう。給料もきちんと払う。」と言うと、「エイト」の設立を依頼した司法書士の山本に電話した。

 

聖一は、「株式会社エイトハウジング」を資本金2,000万円で設立した。

 

ここの税理士は、山本から紹介してもらう事にした。

 

設立登記が終わると、健三から物件を購入した。当然ながら、土地部分は自己資金で賄い、建物部分等は借入金とした。不動産登記も山本にそのまま依頼した。

 

健三は、売却代金で借入金を返済し、残金は聖一から言われた通りに預金した。

 

聖一は、幸太郎と奈菜の生命保険金には手を付けていなかった。ここで初めて少しだけ手を付けることになった。それでも、残金は多額である

しばらくすると、聖一はエイトハウジングで自転車を購入した。

 

それを見て、健三が「その自転車は。」と、聖一に尋ねた。

 

聖一は、にこりと笑い「健ちゃんの営業用の自転車。」と言った。

 

聖一は、代表取締役に就任したが、簡単な経営の方向性を支持するだけで、後は健三に任せてあった。

 

健三は、自動車では通れないような細い道で、自転車をこぎながら、古い家を探し回った。

 

古い家を見つけると、改装しないか、売る予定はないか、訪ねていった。

 

また、競売物件は極力購入するようにした。中には占有屋と呼ばれるタチの悪い輩がいるような場合でも、そこは昔の「夕焼け番長」だけあって、若干の費用はかけても解決できる。

 

エイトハウジングは、大手不動産屋が目を付けないような物件の改装と、買取った物件を自社で改装することにより、年々業績を伸ばした。

 

通常、自社買取の場合は、不良在庫の恐れや金利負担を考え、購入者が決まってから改装工事を行う。

 

エイトハウジングは、聖一の資金を活用して、購入直後に改装を行うため、購入希望者が完成予想図ではなく、実物を見ることが出来るようになっている。

 

売上は倍々で伸び、「魚八」の売上を5年で越え、従業員も十数人にまで成長した。

 

 

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税理士 山下好一

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