先の大戦 大東亜戦争は“良い戦争”だった
さて、それではこれより、日本全体を覆っている「錯覚」の正体について、２つの事柄について検証していきます。フェイクニュースを見破るためには、マスコミ報道はもちろん、学校で習ったことも疑ってみる必要があるのです。
まずは、「先の大戦」を科学者の視点で考えてみます。
日本にとっては「大東亜戦争」、アメリカ側から見ると「太平洋戦争」、ヨーロッパから言えば「第二次世界大戦」ですね。
「先の大戦は間違っていた」という錯覚が日本人にはあります。この錯覚は巨大な錯覚ですから、ここで一部を説明してもすべては解けないかもしれません。ですが、少なくともこの本をお買いになった方には冷静に判断していただきたいと思います。
ほとんどの日本人が大東亜戦争は間違った戦争であったと思っており、その錯覚を正すということは大変です。しかし、本書は「人間の頭の中にある錯覚を取り除く」ことを目的としています。
錯覚がなくなれば、今後の人生においていろいろな情報に対しての判断を誤ることが少なくなると思うからです。
私は、みなさんにはあらゆる錯覚を取り除いておいてほしいという立場ですから、困難は承知の上で「大東亜戦争は間違っていたというのは錯覚で、実は正しかったのだ」ということについて、右寄りとか左寄りの思想ということではなく、きちんとした論理上の話をしていきたいのです。
『フェイクニュースを見破る 武器としての理系思考』武田邦彦 (ビジネス社刊) R060709 P187