銀行の不良資産の処理、企業のリストラ社員。。。今度は公立学校の不良教員処理の話である。

文部科学省は、都道府県・政令都市でやっている公立学校の「指導力不足」認定教員の数を集計したが、05年度は506人だったそうだ。(asahi.com9月22日

へぇー、こんなことやってるんだという感じ。


認定者の特色は
・72%は男性
・40代が45%と最多、50代の37%、30代の17%
・学校種別では小学校が50%、中学校が26%、高校が15%

特色は、企業の不良社員となんとなく似ており、どこでも同じだと感心した。


認定は、校長が評価→教育委員会→弁護士や医師ら第三者を交えた判定委員会の審議を経て決定する。おおげさな長いプロセスだが、訴訟にあったときを考えるとこうなってしまうのか。


判定基準は、都道府県毎にちがうが、
・児童らの学力を考えずに指導する
・広く豊かな教養に欠ける
・自習時間が多い
・高圧的な言動が多い
主観的な基準が多く、評価基準をもっと精密にすることが必要なのでは。認定者は、再研修を受けて復帰するか、退職するが、それぞれ半分ぐらいの分布である。


教員は組合が強く、当局が踏み込めない牙城だったが、それが崩れてきたのはよいことで、教員リストラの始まりの現象だと思う。しかし、不良教員数500人は、全教員数90万人の0.05%にすぎず、少なすぎる、もっといるはず、臆病な判定だと誰でも感じることである。

こんな数字を発表するのは、文部科学省と自治体の教育委員が、世間とずれてることを示しているので、もっと世間の常識に近づけて欲しいと願う。


安部首相は、教育バウチャー制の導入を提案しており、実現すると両親が学校を選ぶ時代になる。そうなると、こんどは教育委員会だけでなく、両親が教師を選ぶので、うかうかできない。


以上の話を社会起業家と結びつけるとこうなる。

イギリスには、公立学校の校長が起業家精神を発揮し、荒れた学校を再建したり、地域の拠点にしたりすることが行われているが、こういう人をシビック・アントレプレナー(私は公民起業家といっている)とよび、称えている。


イギリスの経験では、教員は教育の現場におり、地域のニーズに合わせていろんな事業が展開できる立場におり、起業家精神が発揮しやすい。日本の現在の問題で言えば、不登校生の再教育、ニートの再訓練、学校区の安全確保、児童虐待の防止。。。などの社会問題を解決するために、学校がいろんなセンターになるのに好都合である。


要は、教員は視野を広げて、学校区がかかえる社会起業に関心を持ち、解決の旗振りぐらいなることを目指して欲しいと思う。こういう気持ちがあれば、リストラなんて怖くない。