前回、滋賀県で環境産業の育成をやったらどうかと書いたが、環境ビジネスは、雇用創出効果が大きく、地方経済向きである。


前出の「エコロジーだけが、経済を救う」には、ドイツの例がたくさん出てくる。
・環境相は「環境保護は雇用キラーでなく、雇用ヒッターなのだ」と、環境政策

 は、雇用拡大のスローガンになると言った。
・ドイツのソーラーエネルギー革命で、110万人の雇用が生まれると予想
・ドイツの環境ビジネスには、135万人が従事してるが、自動車は95万人にとど

 まる
・風力発電産業は、原子力発電よりも、5倍の職場を提供する
・都市内交通を公共交通機関に組み立て直すことで、100万人の雇用が達成さ

 れる(東京が先進モデルと書いてある !)


こんな数字がたくさん出てくる。当時の政権が、環境政策をかかげたために、官庁や大学、シンクタンクが、いろんな試算をやり、環境産業が、雇用を生むという点では、社会の中ですでに合意ができてるのだろう。


ドイツでは、メルケル首相が、これから小泉型の構造改革を進め、その結果、失業率は上昇する。西ドイツで10%弱、東ドイツで20%弱の失業率なのに、さらに上昇するので、それを吸収するセクターへの投資が増えないと、構造改革はできない。こうして、環境産業には追い風が吹く。


環境産業が、雇用を増やすのは直感的に理解できることである。環境産業とは、バイオ農業、農業のエネルギー産業化、自然エネルギー利用産業、公共交通機関などのことを指すので、労働集約型の産業だからである。


ITや金融のように、高給というわけにはいかないが、生み出した付加価値を多数の人で分け合うタイプの産業で、日本は既に高賃金のうえ、こんなに個人資産の多い国なので、それでいいのである。


しかも、この種の雇用は、地域で生まれるので、大都市だけで雇用を吸収してしまう情報産業や金融とは違い、地方経済に活力を取り戻すにはぴったりである。こんなわけで、滋賀県での挑戦をすすめてみたのである。