十月はたそがれの国

十月になると、必ず読み返す本があります。

レイ・ブラッドベリの「十月はたそがれの国」。

ハロウィン。

見えない扉が開いてしまう月。

 

 

作詞家になろうと思った十月に、読んだ本。

SFなのかホラーなのか、ファンタジーなのか、

レイ・ブラッドベリの小説にはそのすべての要素があり、

なおかつ、どこか詩的なのです。

見えないものたちが、時空の間から手を差し伸べてくるような、

やがて吹く北風にまぎれてやって来るような。

夜が長くなっていくこの季節の小説…なのです。

 

最近、実用書ばかりを読むことが多く、

詩的な文章にも、上質な文章にも触れていない気がして、

心がどこか渇いてしまう。

 

実用書は、確かにためになる。

私もそんな本を書いているのですが。

でも、効率とテクニックと数字ばかりを追いかけていると、

思考も感性も実用的になる。

 

私の中に、私の好きな世界があって、

そこを辿る水路を久しぶりに遡ってみたい。

 

 

それぞれのファンタジーを大切に。

この世もファンタジーなのかもしれません。

ノンフィクションは、そんなファンタジーの世の中を生きている

私たちのコアの部分にあるのです、きっと。

 

文章が迷路に入りそうなのは、

「十月はたそがれの国」を読もうとしているからかもしれません。

 

 

 

 

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