神奈川の知り合いからのお仕事
お仕事が忙しく、ご自分の車を作業している暇がないという事で依頼されました
まず症状の確認をしていきます
アイドリングが不安定 以前うちで#6のプラグでリセッティングしたにもかかわらず、アクセルをあおっておかないとエンストするほど調子が悪い・・・
お話を聞くと「サーキットを走った直後に調子悪くなった」との事
ヘッドガスケット抜けの感じですがプラグを確認してみると、#4だけ錆が発生しています
LLCが#4燃焼室に入り込んでいることは確実なのでヘッドを下ろすことにしました
(デトネーションの可能性もありますが、うちでセッティングしなおしたのもあり、損傷はガスケットだけと妙な自信でヘッドだけ下ろすことにしましたw)
シリンダー、ピストン、燃焼室はやっぱり無事でした
気になったのはこいつ! シリンダー周りの水穴からボアリングへ向かい変な痕がありました
ガスケットが組む時点でこんなことになっていれば分かるはずなので、使用中に形成されたと考えていいですね そしてその水穴の方向にボアリングに焦げ跡が強く残っています
現象を考察してまとめると
正常燃焼圧力がヘッドの僅かな歪みからわずかにボアリングを抜け、水穴に燃焼ガスが漏れて(抜けた)出来た痕跡ではないかと思います #1#2#3にはこの痕跡はないです
という事でヘッドは内燃機屋さん行き決定です
歪みは許容限度値いっぱいだったので最低限の面研で済ませられました
ヘッドガスケットはAPEXさんの1.1mm
カムはついていたものを使用し、ヘッド周りを簡易O/Hして再組立てです
カムカバー周辺のゴムパーツは新規にして、パイピング(スチール&アルミ)磨き、バッテリートレイを黒塗装
オイルクーラーのホースを一旦切り、汚れたオイルを出来る限り輩出し新油を投入、LLC注入しエンジン始動 我ながら仕事は完璧!!
オイル、水漏れもなし エンジンも快調 いい音で回っている!?
と思ったのもつかの間 動弁系から打音!? 入庫時にオーナーが「最近、カチャカチャとうるさいんですよね~」言ってたので、ラッシュアジャスターのエア噛み?と思い、ヘッド組み立て時に入念にエア抜きしたにも拘らず出てきてしまいました しかも2か所くらいから音がしております
ラッシュアジャスター内部のチェックバルブ不良です オーナーにお話させて頂き、ラッシュアジャスター全数新品交換という事になりました
作業するのはいいんですが分解時に新品交換をお勧めしておけばと後悔
ラッシュが静かになって油温が上がり始めると今度はエンジン前方上側から別の打音
NVCSですorz もっと早めから騒いでくれてれば・・・・ いまさらかよw
NVCSは非常に高額なので中古で対応しようという事になり中古を購入するも、多少マシかなというくらいで音が出てきました コントロールソレノイドがONすると油圧が掛かるので音は出ないのですが、うーん困った・・・
巷では強化スプリングの組み込みしたものなど皆さん対策やられているようですが、NVCSがONになった時の進角などを考えると???なので、これらを踏まえ色々考えオーナー様と悩んだ末、コントロールソレノイドをリレー駆動してアイドリングから直接動かすことにしました
(任意でON/OFF可能)
一応今回はこのへんで終了
恒久対策を練りつつ(いつになるか不明w)納車となります
長い間お預かりしてしまいましたが、これで気持ちよく乗って頂けると思います