リスト生誕200年記念、演奏会が無事に終わりました。
震災以来、たくさんの演奏会が中止になっていたので、無事に開くことが出来るのか、お客様は来てくださるか・・・と不安もありました。
ホールからの説明でも、演奏中に地震が起きた場合の対応なども細かく説明されたりと、例年とは違う気持ちでの準備期間でした。
しかし、いざ本番、舞台に出てみると、9割近くの席が埋まっていたので、本当に感謝の気持ちで胸がいっぱいです。
今回の演奏会は、オールリストという壮大なテーマを掲げた上で、どのようなプログラムを組めば、お客様に楽しんで聴いていただけるか、とても悩みました。
リストの代表作である「愛の夢」と「ラ・カンパネラ」は以前から最もリクエストの多い曲でしたので、この2曲を軸に、リストの魅力を最大限にお伝えできるように、リズムが面白い舞曲から、音の一粒一粒を聴かせるような繊細な曲、そしてリストが数多く手掛けた編曲まで、幅広いプログラムで組みました。
アンケートに書いてくださったご意見の中で、意外にも一番反響があったのが、アンコールでした。
前回のショパンYearのアンコールでも披露しましたが、今回も3人6手での連弾を演奏しました。
前回は作曲家の池田先生にお願いをし、「ノクターン2番」を6手にアレンジしていただきましたが、
今回は私たち自身で「ハンガリー狂詩曲2番」を6手に編曲しました。
それはもう大変でした(笑)
6手での迫力を最大限に生かし、尚且つ均整のとれた仕上がりと少々のユーモア・・・
そして多忙の3人が揃う少ない練習時間の中で、何とか本番までに間に合った・・・といった感じです。
前回は3人が座ったままの演奏でしたが、今回はぐるぐる交代でメロディーを受け継ぎながら、
移動しながら、ドレスを踏まれながら・・・笑
初の試みでしたが、まあなんとか満足のいくものになったのではと思います。
演奏を終えた後の会場の熱気というのでしょうか、お客様のテンションが上がっていくのを感じた時、
本当に今まで努力してきてよかったな、と込み上げてくるものがありました。
聴いてくださった方に、おいしいごはんを食べた後のちょっとした幸せのようなものを
味わっていただければ幸いです。
演奏会に来てくださった作家さんが、後日‘詩’を送ってくださいました。
涙がでました。ありがとうございます。
《ピアノコンサート》
そっと目を閉じる
十本の指の
旋律が
私の耳に
入ってくる
目を閉じる
訳にはいかない
リストのピアノの
調べ
美しすぎる
十本の指
ここまで
来るには
血を滲ませた
指。
ありがとう
真夏の
ひとときの
感動・・・。