8/1~8/2に干野先生のマスタークラスがありましたピアノ*鍵盤
当初は合宿の予定でしたが、都合により桐朋の326教室で通いで行うことになりました。

中学生から現役の大学生、卒業生、社会人と幅広い年齢層の12名が参加しました。

毎年、とても勉強になるのですが、干野先生はここ最近で益々確信できたことが

たくさんあるとのことで、本当に楽しみにしていました。

12人分の課題曲と自由曲の楽譜を持参し(20冊くらいかな)

と~~っても重い思いをして通いましたあせあせ


2年前のブログにも書きましたが、演奏家にとって楽譜とは、唯一の手掛かりです五線譜
楽譜に書いてあることすべてに意味があり、演奏家へのアドヴァイスになっています。
音符を読むことは、覚えれば誰にでも出来ます。
しかし演奏家は、 楽譜からいろいろな情報を読み取る力がとても重要になるのです。


例えば文字の “crescend” と松葉の “<” とは何が違うの? クレッシェンド ハテナディミヌエンドハテナ
“cresc.” と “<” の両方が同じ場所に書かれている事もあります。
作曲家は何を伝えたいのか・・・
これには列記とした規則が存在するのです。



また、音楽のテクスチャについてです。
音楽の最小単位は2音から成っています。

しかしそのセンテンスを拍に合わせて作ってしまうと、音楽はdownの力が強くなり、

先に進む力を失います。
音楽は必ず、upの音(弱拍)からのセンテンスで作られているのです。
しかし、作曲家の意志で、あえて拍頭からセンテンスを作ることがあります。
それが『イネガル』です!
これを見つけられると本当に音楽が変わります。


また、俗に言う「強弱記号」も誤解されています。
学校やほとんどのピアノの先生は、「フォルテは強く」「ピアノは弱く」
と言った指示をすると思います。(教本にも書いてありますが…)
でも果たして本当にそれでいいのでしょうか? メゾフォルテ ハテナ フォルテッシモ ハテナ
日本では“音量”とされていますが、心情を表す記号でもあるのです。
ヨーロッパでは、mfやmpのmは「メーイ(深い)」と訳され

子供たちにも教えているそうです。

深いフォルテ、深いピアノ、と聞いたら、どう演奏するでしょうか。
リラックスしている状態なのか、内向的な音なのか。

現代の日本の作曲家の楽譜を見ると、mp~mf~f~ffと、音量だけの解釈で

表記しているものがかなりあります。
でもベートーヴェンやショパンが、そのような表記の仕方をしているのを

見たことがありますか?

本当の法則さえ理解していれば、それが絶対にあり得ない表記だということに

気づくのは簡単なことです。



あとは、楽譜の出版社です。
比べると違いが歴然でした。1ミリでも書いてある場所が違うと、全く違う意味になってしまいますので、
出版社は選ばなければ間違った解釈に繋がってしまいます。
見比べていると、とても恐ろしくなりました。
書くスペースの問題で適当に松葉を短くしたり、

真中に書かなければいけないのに勝手に右手の上に置いたり…
今回、信用できる出版社と、もう絶対に買わないと決めた出版社が明確になりました笑



もちろん、こうした研究家の様な作業は、「人に感動を伝える演奏」のスパイスの一つにしかすぎません。人生経験やたくさんの物を見て触って、イマジネーションを膨らますことが何よりも大切だと思います。


かなり高度な講義でしたが、本当に勉強になりました。
帰ってきてから楽譜を開くと、楽譜が立体的に見えてきて、とてもテンションが上がり、

生徒のみなさんにも早く伝えなければ!!という思いでいますきらきら。ピアノ



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