自転車のある風景・路上「もみじ」
近藤喜文さんの画集『ふとふり返ると』。
素敵な素敵な画集です。
何が素敵なのかというと、近藤さんの人間を見る視線なんです。
こういう目で世の中を見たい、そういう目を心に持ちたい、そういう思いで、町で出会った人たちの姿をスケッチしています。
そんな中から、自転車の登場するスケッチをアップしていきます。
図書館へ向かう途中で出会った親子
紅葉の歌を親子でパートに分かれて歌っています。
学校で練習しているのでしょう。
背が伸びて、私立の制服もランドセルもちょっと小さめに見える男の子。
お母さんは自転車でゆっくりゆっくり、並んで走っています。
男の子が一生懸命低いパートを歌うのですが、お母さんの歌うメロディにひっぱられてしまい、自分のパートを忘れてしまうようです。
素敵な素敵な画集です。
何が素敵なのかというと、近藤さんの人間を見る視線なんです。
こういう目で世の中を見たい、そういう目を心に持ちたい、そういう思いで、町で出会った人たちの姿をスケッチしています。
そんな中から、自転車の登場するスケッチをアップしていきます。
図書館へ向かう途中で出会った親子
紅葉の歌を親子でパートに分かれて歌っています。
学校で練習しているのでしょう。
背が伸びて、私立の制服もランドセルもちょっと小さめに見える男の子。
お母さんは自転車でゆっくりゆっくり、並んで走っています。
男の子が一生懸命低いパートを歌うのですが、お母さんの歌うメロディにひっぱられてしまい、自分のパートを忘れてしまうようです。
再録・徒然走稿第六回1998.8
御坂峠
「富士には、月見草がよく似合う」
今年は太宰治没後50年、だそうである。それで、と言うわけではないのだが太宰治(本当は井伏鱒二の方が縁が深いんだけど)にゆかりのある、山梨県の御坂峠を訪れてみた。
御坂峠は、峠の天下茶屋に太宰治が数ヶ月滞在したことで有名なのだ。『富嶽百景』中のこの一文は、うれしげに石碑にまでなっているのであるが、この前の部分を読むと「ここから見た富士は(中略)まるで、風呂屋のペンキ絵だ」とあり、太宰は好かなかったようである。
しかし、気恥ずかしかろうと芝居の書割だろうと、自転車で辿り着いて、ここから眺める富士というのはなかなかのもので、彼はバスで来たのがいけないのだ、と私は思う。
ここでいう『月見草』は本来の月見草ではなくオオマツヨイグサのこと、これからの時期、夕方から朝にかけて、ゆったりとした黄色い花をつける。
峠までは河口湖からゆっくり上がっても2時間でおつりがくる。逆に勝沼から走ってもいいし、三つ峠をコースに入れてもいいだろう。日の長いこの時期、月見草の開花時間に合わせて峠を訪れて、にわか文士をきどってみるのも一興かもしれない。
■御坂峠
五万図:都留
最寄り駅:富士急行線 河口湖駅
国道137号線の新御坂トンネルの手前から旧道に入る。旧トンネル河口湖側に『天下茶屋』。現在の建物は太宰が滞在したものから数えて三代目に当たるが二階は記念館になっていて往時を忍ぶことが出来る。山椒の利いたみそ田楽やジャガイモ団子、ほうとうが旨い。
冬季、旧トンネルは通行止めのことがあるが大抵自転車は通ることが出来る。トンネル内は暗く普段は対向車が煩雑に来るので電装の支度はお忘れ無く。4月なら甲府盆地側で桜や桃、スモモの花を。秋口、ブドウの収穫が終わる頃、甲州ワインの新酒を、と季節の変わり目ごとに楽しめる。
杠 聡(イラストライター)yuzu@st.rim.or.
先日、仲間の結婚披露倶楽部ツーリングで信州に出かけた。この日のためにショップの店長がタンデム車を用意していたので、雨で走れないのを幸いと青木湖畔で試乗会を催した…う~ん、噂には聞いていたがタンデムの下りは怖い、逆に登りはスーパーマンになったような気分になれる。次回はこれで峠にトライしてみたいなあ。
(フィールド・バイカース1998年8月15日号掲載)
2006.10.17 再録後記
なんで第五回が1997年12月で第六回が翌年の8月なんだ?と、疑問に思っていたら、この前号1998年6月号の編集後記で謎が解けました。
12月号から2刊分休刊になっていたのですね。
で、私への再依頼が来たのが6月号発刊後、継続していける見込みがついてからだったのでした。
今、Webエッセイとして連載中だけど、また紙媒体でもやってみたいなあ。
落ち葉で昼寝
さわさわと風がぬけると
さらっ さらっ と 枯葉が落ちてきます
落ち葉をたくさん集めて 山にして
思いっきり背伸びをしながら
葉の山の中に体を埋めていくのは 最高です
秋よ
あんまり急がず もっとゆっくり 通り過ぎてくれ
絵の中の緑色の自転車(ケルビム)は、子供用のロードやマウンテンが普及していなかった頃、娘のために親ばかチャンリンでオーダーしたものです。
その娘も二十歳を迎えます。
緑のロードは姉妹に続いて、親戚、自転車仲間の子供たちの間を渡り歩いて、今でも元気に走っています。
いっしょに寝ているブチ犬は、娘が3歳の時、我が家にやってきました。
自転車のまわりを飛びまわって走り回っていた日々は遠くなって、この頃は寝てばかりの毎日です。
それでも娘の足音を聞きつけると、玄関までヨロヨロと迎えに行くのです。
娘がうたた寝をしていると、いまでもペトっと脇に張りついて、幸せそうな寝息をたてているんです。