In The Loopより。トレイシーコーチへのインタビュー。 | まどでんきがかり。羽生結弦選手全力応援

テーマ:

In The Loopによるトレイシーコーチへのインタビューの模様をご紹介します。

 

 

Interview – Tracy Wilson, Coach At Toronto Cricket Club
インタビュー - トレイシー・ウィルソン、TCCコーチ


(Marya(以下M)とNina(以下N)によるポッドキャスト、In the Loopによるトレイシー・ウィルソン・コーチ(以下T)へのインタビュー。クリケットで行われました)

(羽生選手の部分を中心に抜粋しました。英文の無い部分は要約です)

M:以前のインタビューでは、とくにスケートの基礎的な技術の話をしていただき、クリケットではそこを重要視しているとおっしゃっていましたが、それを教える上で最も大変なことは何か、特にクリケットに来たばかりの場合どうやって上達させるのですか?

 

Having said that though, you can learn it but then to actually own it is another different thing, and to be able to access it when you’re under stress is also very different [and] very difficult. So, I usually tell the skaters it takes a year and a half, and it's remarkable how quickly they’ve progressed, but it’ll take time. Not only do they have to learn it, they have to be able to do it under stress, but then they need to take the next step and make it their own.
そうは言っても、学ぶことはできるけれど、それを実際に自分のものにするというのはまた別で、難しいのよ。そしてプレッシャーを感じている時にそれができるということも、また特に難しい、そうとても難しいの。だから、私はいつもスケーターたちに1年半はかかると言っているのよ。そして彼らの成長っぷりは素晴らしいわ。でも時間はかかるのよ。学ばねばならないだけでなく、それをプレッシャーの元でやらねばならないからなの。

でも、それでも次のステップに行くためには自分のものにしなくてはならない。

 

 

Which is something like Yuzu [Yuzuru Hanyu] has done. He’s taken the technique and he’s made it his own. He doesn’t even think, and it’s just little touch ups. So that’s what it is. For me, the intent is for the skater to feel joy, for them to have the control, without having to think about it. To have trained the foundations so it’s muscle memory, and which allows them to be free in their program, because if they’re fighting for balance, then it’s stress. If they know where to go, where their safe place is, and if they can feel the rise and the fall of the skating, and the acceleration of the blade - that’s the joy of skating. And so, that’s my intention, is for them to find that and have it for their life.
それをやり遂げたのがユヅ[羽生結弦]よ。彼はテクニックを身に着けて、それを自分のものにしたのよ。彼はわざわざ考えなくても、ただちょっと修正するだけでいいの。そう、それなのよ。

私は、スケーターには喜びを感じて欲しいの。自分でコントロールできて、いちいち考えなくてもね。

基礎を練習していれば、後は筋肉の記憶なのよ。そしてそれがプログラムの中で彼らを自由にさせてくれるの。

バランスを取ることに苦労していると、それはストレスになるからね。どうすればいいか分かっていれば、どこが安定する場所かが分かっていれば、そしてスケーティングの伸び上がったり下がったりするのを感じて、ブレードの加速するのを感じるなら – それがスケーティングの楽しさなのよ。

だからそれが私の目指すところで、彼らが探し当てて、そうしたら一生のものになるの。

 

 

M: アイスダンスの選手だった時の思い出について

(カルガリーオリンピックのことを話し、それまでに得たサポートの話、観客とのコネクトの話、人生を変えてくれる体験であるという話、当時8歳だったという人がその話をしながら涙を浮かべてくれたり…)


And, then you’ll learn the bigger meaning in all of this, and so, for the Evgenia’s, and the Yuzu’s, it’s yes, what they can learn about themselves as a person, also how they can touch an audience, and inspire an audience, and especially, actually anybody, but also the young ones because the young ones can look and see what’s possible and feel empowered.
そうやって、これらすべての体験に存在するより大きな意味について学ぶことになるわけね。だからエフゲニアやユヅの場合もそう。彼らが一人の人間として学べること。

そして彼らが観客の心に触れられる能力、観客を触発する力、特に、実際にはすべての人ではあるけれど、特に若い人たちに与える影響。若い人たちは見ることで、何が可能なのかを知り、できるんだと感じるからよ。

 


M: それでは、コーチとしてのキャリアにおいて、もっとも手応えを感じた瞬間は何だったと思いますか?

T: やはりオリンピックということになるかしら。でも、たくさんありすぎて!

 

T: It’s an Olympic moment. But, I had a moment today, where you know, Jun [Hwan Cha] is fixing his skate and Yuzu’s quadding all over [laughs] and Evgenia is triple something-triple looping, and Jason is doing all this magic, and I said to Jun “I’m just trying to stay out of the way!” [Laughter] Because, you know, and I’m grateful. I’m so grateful. On so many days it gets stressful too - when they’re misfiring, look out!
そう、オリンピックの時よね。でも、今日だってこんな時があったのよ。例えばジュン[ファン・チャ]がスケーティングを修正して、ユヅが4回転を跳びまくって[笑]、エフゲニアが何かトリプルとトリプルループ[訳注:コンボのことと思われます]をやり、ジェイソンが魔法のようなスケートをして、私はジュンにこう言ったの。

「私は下がっていようかしら!」[笑]だって、ね、そして私は嬉しいのよ。本当に嬉しいの。

もちろん、何日もストレスを感じる日もあるわ – 彼らが調子が悪い時は気をつけなくちゃね!

 

 

But, to be rinkside, at the Olympics. So, I was there with Jun, and Javi [Javier Fernández], and Yuzu, and then it became with Javier and Yuzu on the final group and the practice. And to, I’m going to be totally honest, my favorite moment as a coach is the two of them had done their practice and they joined together and went and started doing some of our stroking exercises and it was such a way of being thanked. [Maryam: Yeah] Right? I was like “I don’t need a thank you, I don’t need anything.” That moment was like, kind of… I made this stuff up, because I don’t know... It felt good? And it’s actually… here it is. [Myriam: and they’re doing it] and like, “Oh my God, are they doing it?” [Maryam and Nina laugh] Right? And it’s like “Okay, thank you.”
でも、オリンピックの時にリンクサイドにいた時は別よ。私はジュンと一緒にいて、次にハビ[ハビエル・フェルナンデス]、そしてユヅでしょ、それから最終グループと練習の時にもハビとユヅと一緒にいることになって。

そして、ここは本当に正直に言うけれど、私のコーチとしての最も大切な瞬間は、この2人が練習を終えて、その後一緒になって滑って行って、私達がいつもやるストローキングの練習をちょっとやり出した時にね、あんな風に感謝の気持ちを表してもらえるなんて。

[M: 本当ですね]

でしょう?私、もう「感謝なんて要らないわ、何もいらない」という感じだったの。あの瞬間は、何というか…私がこれを作りあげたというのかしら。だって何と言えばいいか…満足感があったというのかしら?そして実際に…目の前にあって。

[M: そして彼らがそこでやっていると]

そう、それで「あぁ、神様、彼らがあれをやっている、ってなって」

[MとNが笑う]

ね?それから「オーケー、ありがとう」って。

 

 

M: It feels pretty special. [Tracy: It does!] So, you’re well known for being a bit of a “Team Mom” [Tracy: I know! (Laughs)] at TCC. [Laughter] So what do you consider to be the division of labor between a coach and a skater’s real parents, in terms of like, involvement in the skater’s skating when they come to the rink.
きっとものすごく特別なんでしょうね。

[T: そうなの!]

それで、あなたはTCCでは「チームのママ」という感じて有名ですが

[T: 知ってるわ!(笑)]。

[笑]そこで、スケーターたちがリンクに来る時に関与するという点で、コーチとスケーターの本当のご両親とに間の役割分担みたいなものをどのように考えていらっしゃいますか?

 

 

T: (実際に3人育てた経験があるが、母親以上な感覚がある。親のすべきことは親にまかせている。自分は氷の上でのこと、スポーツマンシップを見る。スケートを通して学ぶことを目指している。後の人生に生きるものを。スケートはただ跳んだりコレオをしたりというのではない難しいスポーツ。スポーツを通して人生の教訓を学ぶ。だから、この点で一番母親らしい感じになりたい部分かな。できるところを認めて励まして。自分の評判については知らないけど。)


but I’m pretty tough in terms of training because I think we’re so limited by what we think we can do. And, I literally, I mean, I commentated Rugby at the Olympics in Brazil in Rio, and I watched what those Rugby players deal with and how tired they get and they have to go and hit somebody and get hit. And I literally skated after Yuzu and said “Have you seen your Japanese Rugby team?” and he looked at me, and I said “Come on! You’re not going to be hit, and nobody's going to hit you! Come on, you’re not that tired.” [Laughter]
トレーニングという点では、私はとても厳しいと思うの。なぜなら、できると自分で思っていることでかなり制約を受けていると思うからなのよ。

文字通り、その、ブラジルのリオオリンピックの時にラグビーでコメントしていて、ラグビーの選手が何をしているか、どんなに疲れるか、お互いにぶつかり合ってね。それで、実際にユヅの後ろについて滑っていて、こう言ったの。

「日本のラグビーチームを見たことある?」すると彼が私を見たので、私は「大丈夫よ!誰にぶつかられるわけじゃないわ、誰もあなたにぶつからない!ほら、それほど疲れてるわけじゃないでしょう」って。[笑]

 

 

Right? And I had a son who had done an Ironman [Triathlon] and you know, so you’ve done the two-mile swim, and you’ve done the 180 km bike ride and now you only have to do a marathon! Right? It’s the truth. It’s the breaking down the mental barriers, and so I also, that’s another goal, with the skaters… the work is fun. Don’t listen to your brain that says you’re tired. No, this is joyful, what we do is joyful. Warm up and exertion is joy. It’s not a hardship, so much of our society is about can be, not doing - because you have your car, you have your computer. You don’t have to get up, you can just sit and push buttons. But there’s such a joy in what we do, and it’s exhilarating when you face your fears and you push yourself to the next level, and the only way you can push yourself to the next level is finding that place where you’re uncomfortable, right? And it’s like okay.
実際そうでしょ?私の息子はアイアンマン[トライアスロン]をやっていてね、だから2マイル泳いで、180km自転車を漕いで、今度はマラソンをやるのよ!ね?それ本当なのよ。

それでメンタルの障壁を打ち壊すわけ。だから私も、それもまた別の目的なのだけど、スケーターにもやるのよ…練習は楽しいわ。

疲れたと訴える脳には耳を貸さないの。そうじゃない、これは楽しいのよ、私たちがしていることは楽しいの。ウォームアップも努力も楽しいことなのよ。苦難ではない。

私たちのいる社会は「できるかも」ばかりで、「やる」がない – 車があるし、コンピューターもあるしね。立ち上がる必要もなくて、ただ座ってボタンを押せば済むでしょう。

でも私たちがしていることはこんなに楽しいのよ。そして怖さに向き合いながらそれでも次のレベルに自分を押し上げていく時、それは爽快なの。そして自分を次のレベルに押し上げる唯一の方法は自分が快適さを感じられない場所を探すことしかないの。そうでしょ?そうしてオーケーってなるの。

 

(MとNはふたりとも大人になってからスケートを始めたので為になる、と言っています。)

N: キス&クラのことをお尋ねします。あなたはキスクラでもいつもポジティブな態度で有名ですが、選手があまりよくない演技だった時や自分の演技に満足していないと感じる時にポジティブでいるのは大変ですか?

T: That’s very real. That’s very real, and sometimes that will allow them to move forward, and sometimes that’s what we need. Because there’s more than one truth. You know, the truth is you missed a key jump. The truth is you did not put out there what you’re used to doing in training. The truth is this place is new to you, you’ve come under all of these changes and blah blah blah. The truth is it was better than the last competition. Sometimes, you have to hold onto the truths that are going to move you forward. You look at all the truths and sometimes, at a time like that, these skaters are absolute perfectionists and they are beating themselves up in their head and that, sometimes, you got to be like yeah, that’s obvious. And I’m a perfectionist too, don’t kid yourself. I’m a perfectionist too, but okay, we’re moving forward. We’re not going to sit and wallow in all of the mistakes, we’re going to look, there’s this, there’s this and let’s move forward.

ほんとに現実問題そうなんです。そして、それが彼らを前に進ませてくれることもあるし、それが必要なこともあるの。

真実は1つだけじゃないからよね。真実としては大事なジャンプをミスしたとか、練習でいつもやっていたことができなかったとか。初めての場所だったとか、こういった諸々の変化にさらされていたわけなのよ。そして真実として、前回の試合よりも良かった。

時には前に進むためにはその真実をしっかり受け止めねばならないこともあるわ。すべての真実を見つめて、特にそういった時には。スケーターはみな完璧主義者だから自分を責めて、どうしてもそうなることもあるし、それは明らかよ。

それに私自身も完璧主義者なの。自分を偽ることができないのね。

私もそうなんだけど、でも大丈夫、私たちは前に進むのよ。ただ座って、やってしまったミスをクヨクヨ考えるのではなくて、これがあって、これがあって、というようにちゃんと見て、それから前に進みましょうっていう風に。

(ジョゼフ・ファン選手がクワドで失敗した後にいかに立て直したか。その時にどこを見つめるかについての例。メンタルなんだ、という話)

N: メンタルといえば、試合前の緊張はなくなるものなのですか?
T: いいえ、決して。若いスケーターだと感じ方が違い、成長期前はいくらでもできちゃう。疲れも知らない。成長すると疲れを感じるようになる。すると「こんなに緊張したことない」というようになる。ユヅとハビを見ると彼らには簡単なんだろうと思うかもしれないけどそうじゃない。ずっとついて回る。

(この後、シングルのスケーターでTCC以外でスケーティングスキルがすばらしい人は、と聞かれトレーシーが困り、アイスダンサーの話になり、カナダの選手の話をしばらく)

 

M: [今度の]世界選手権について、予想は?何が起きると思われますか?

T: No, and that’s the whole thing. You know, all my wishes is that the skaters have personal bests. And that the judges have great performances as well. May the best man win. You know, because I feel the same way as a commentator. You don't want your country’s more than another country’s, or this skater or that. You want what's right for the sport. And whatever is right for the sport will be right for everybody. So you want everybody to have great skating and to put on a show for the audience, may they entertain the audience. That people in the stands and on TV just feel better because of watching. That’s my wish.
予想はないし、それがすべてよ。私が願うのは、スケーターたちが自己ベストを出すことだけ。

そしてジャッジにも良いお仕事をしてもらいたいわ。最も優れた者が勝つでしょう。

コメンテーターとしても同じように感じるのよ。自分の国の選手が他の国の選手より勝って欲しいとか、このスケーターが、あのスケーターが、なんて思わないでしょう。

このスポーツにとって正しいことが起きて欲しいの。そしてこのスポーツにとって正しいことは、すべてにとっても正しいはずよ。だからみんなにすばらしいスケートをして欲しいし、観客を魅了して欲しいし、楽しませて欲しいと思うわ。会場にいる人も、TVで見ている人も、観ていることで気分良くなって欲しい。それが私の願いよ。

 

N: これまでのところ、シーズンで最も良かった瞬間は何ですか?

T: I’m going to say in practice, I can’t pick. [Laughter] Like a good mother I’m not going to pick a child. You know there’s been a lot of good moments, but watching these guys, like today, we did a stroking session, and on Fridays, the younger group can come on the ice. And to see people like Yuzu, and Jun, and Evgenia, and Jason skating and sharing the ice with some of the younger skaters was just beautiful. And to be on the ice and skating with them, that’s one of my favorite moments of the year. And what finished it off was after we sort of said our thank you’s, Evgenia and Yuzu went and got a bucket of snow and the little shovel, and started fixing the ice. And then a couple of the little kids, I said, “now see? we take care of each other, right? We’re not pampered you know? We take care.” And I said, “And you know what? You guys can go and help them.” And one of the kids just started with, “Uhh, Yuzu, can I help you?” [Laughter] So yeah, today was a top ten. That’s wonderful, thank you for asking!

 

具体的に言おうと思ったけれど、選べないわ。[笑]いい母親と同じで、子供を選べないわよね。

すばらしい瞬間はいっぱいあるけど、このスケーターたちを観ていると、今日もそうだけど、ストローキングセッションをやり、金曜日には、若い子のグループも一緒にリンクに乗る。そしてユヅとかジュンとか、エフゲニアとか、ジェイソンが滑るのを見て、若いスケーターたちと一緒に滑るのを見ると、ただ素晴らしいわ。

それに、彼らと一緒にリンクにいて滑るというのが、シーズンで一番大好きな瞬間の1つね。

そしてそれが終わって、最後に感謝の挨拶なんかをした後、エフゲニアとユヅは雪の入ったバケツとシャベルを取りに行って、氷を埋め始めるのよ。それから何人か小さい子たちに私はこう言うの。「見た?私たちはお互いに大切にし合うのよ。ね?甘えちゃいけないのよ、わかった?自分たちでやるのよ。」

そしてこうも言うわ。「そして、いい?あなたたちも行ってお手伝いして来たら。」

するとそのうちの1人がこう言うの。

「えっと、ユヅ、手伝ってもいい?」

[笑]そう、だからきょうはベストテンを話したわね。

すばらしいわ。聞いてくれてありがとう!

(互いにお礼を言って終わります)

 

 

トレイシーコーチのフィギュアスケート観や各選手に対する愛情がひしひしと感じられます。

特に最後のエピソードは素敵ですね。

 


 

saikorinさんありがとうございました。


ランキング参加中。ポチッと押してみ


ばりぃさんをフォロー

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

Ameba人気のブログ