出張前、予約サイトをスクロールしていると、「新築」「大浴場」「枕が選べる」「ウェルカムドリンク」——

写真も口コミも良くて、“一人時間のご褒美ステイ”を想像します。

 

チェックインしたらフカフカのベッドでくつろぎ、デスクで仕事もはかどり、朝はビュッフェでテンション上がるはず。

家事も育児も離れて、一晩だけ“ホテルの人”になれる…そんな期待、ありますよね。

 

ところが実際にドアを開けると、

「あ、まあ、そうだよね」が連発。

 

荷物を広げた瞬間に足の踏み場がなくなり、壁の向こうのテレビ音やいびきがうっすら聞こえ、空調は「弱か強」の二択。ユニットバスは“シャワーカーテンが足にまとわりつく選手権”、デスクはノートPCとペットボトルを置いたらもう満員。

 

朝食ビュッフェはワクワクしながら降りていくと、結局「スクランブルエッグ・ウインナー・筑前煮・謎ポテト」の既視感フルコンボ。そう、どれも“知ってた風景”なんです。

 

それでも、深夜到着で残り1部屋を滑り込みセーフしたり、フロントの一言に救われたり、ありきたりの部屋でふと“自分だけの時間”が生まれたり。

 

笑える小ネタと、出張経済のリアルが同居しているのが、ビジネスホテルの本当の顔かもしれません。

 

✅ よくある「ビジネスホテルあるある」:
・予約サイトの写真が広角すぎて、実物は「あ、正方形だった」レベル
・スーツケースを広げたら、それ以上どこにも動けない
・ユニットバスのシャワーカーテンが脚にまとわりつく
・枕が選べると書いてあったが、フロントに電話するほどでもなく結局そのまま
・朝食ビュッフェで「全部食べる!」と盛るが、結果いつものパンと卵で終了
・カードキーを持たずに自販機へ出て、部屋に戻れずフロントに小走り
・隣室の「おかえりー!」電話の声で、その人の人間関係までうっすら把握

 

❌ 実際は…:
・安価なプランは“狭さと音”とのトレードオフ。快適さにはコストが要る
・机と椅子は“長時間デスクワーク仕様”ではない場合も多く、腰を痛めがち
・連泊割はお得だが、掃除簡略化でタオル交換だけの日もあり“ラクさ”と引き換え
・建物コストや人件費の圧縮で、サービスの“過剰なおもてなし”は期待できない
・「駅近」「大浴場」「無料朝食」には、“大量の出張族が集結する混雑タイム”がセット
・深夜チェックインや早朝チェックアウトの裏で、スタッフは極限シフトで回している

 

疲れが癒えるかな。がポイント:
ビジネスホテルは、“夢のリゾート”ではなく“合理化された一晩”です。

写真と口コミで期待を盛り上げつつ、心のどこかで「そう、あのサイズ感とあの朝食ね」と理解しておくと、ガッカリより“安定感”が勝ちます。

 

チェックイン時には、デスク周りを自分仕様に組み替え、明日の服と荷物を先にセット。

騒音が気になりそうならイヤホンか耳栓を一つ忍ばせておく。

朝食は“元を取る”より、“いつもより5分ゆっくり味わう”に目的をすり替えると満足度が上がります。

 

そして何より、「同じような部屋」「同じような朝食」「同じような廊下」の中で、自分だけの小さなルーティンや笑える事件が積み重なっていくのが出張者のリアリティ。

あなたが今まで泊まった中で、一番“ビジホっぽい”瞬間はどれでした?エレベーター前の沈黙、謎のマッサージチェア、カレーの香りしかしない朝食会場…誰かの「あるある」と静かにつながるネタ、きっとひとつはありますよね。