ホテルロビーのような受付カウンター、きれいな制服、来客に「いらっしゃいませ」と微笑む姿——

 外から見ると、“座ってニコニコしているだけの華やかな仕事”に見られがちです。

 

友人からも「いいなー楽そう」「可愛い人だけなれるんでしょ?」なんて軽く言われてしまうことも。

「第一印象をつくるポジションだし、言葉遣いも仕草もきれいになるかも」と憧れて始める人も多いですよね。

 

でも現実は、笑顔の裏でフル稼働。

“来客対応+代表電話+宅配対応+面談予約+社員呼び出し+会議室管理”が同時進行。電話が3本鳴り、来客が2組重なり、後ろで宅配業者さんが伝票を振っている——

 そんな中で「少々お待ちください」を崩さず優先順位を瞬時に決めるのが日常です。

 

あるあるエピソードとして、「初日から社員の名前と顔が覚えられず、同姓さんを呼び間違えそうになり冷や汗」「受付で怒り爆発したクレームを、担当部署に繋ぐまで一人で受け止め続けた夜」など、想像以上にメンタルと記憶力が試されます。

 

さらに、“顔採用”という言葉が平気で飛び交ったり、「お茶くみも受付の仕事でしょ?」と古い価値観をぶつけられたり、

正社員と同じくらい会社の顔を担っているのに待遇面では差を感じることも。

 

表向きのキラキラと、現場のリアルのギャップに戸惑う瞬間は、一度は通る道です。

 

 

✅ よくある「受付嬢あるある」:
・「道案内・会議室場所」を1日で20回以上説明
・代表電話で“部署名ボソッ”案件を聞き返さず即察する能力が覚醒
・常連の来客の顔と社名は社員より早く覚える
・同じ名字の社員が多くて内線先を毎回確認して冷や汗
・「笑顔が素敵ですね」と言われると、疲れが少し報われる
・同期や同僚と「あの瞬間、よく乗り切ったね」と終礼反省会

 

❌ 実際は…:
・「座ってるだけでしょ?」と仕事を軽く見られがち
・クレームの“最初の矢面”になり、理不尽な言葉をぶつけられる
・遅刻・忘れ物など“他人のミス”のフォロー役になることも多い
・正確さとスピードを求められるのに、給料や評価が追いつかない
・常に見られているポジションで、身だしなみプレッシャーが大きい
・誰にも気づかれないが、セキュリティと情報管理では最前線

 

思ったより、気を使って大変なのよ:
今は、受付「嬢」というだけで、性差別と他いう人がいる時代。何を言うにも気を使うんです。
受付は「ただの案内役」ではなく、会社の印象と情報の流れをコントロールする専門職。

瞬時の判断力、敬語・表情・声のトーン、守秘義務、セキュリティ意識——全部を同時に回し続けるからこそ、「この受付なら安心して任せられる」と信頼が積み上がります。

 

一方で、“見た目の華やかさ”だけを期待して入ると、クレーム対応や責任の重さ、待遇ギャップにぶつかりやすいのも事実。

だからこそ、自分の中で「ここまでが私の役割」「ここから先は担当部署」と線を引き、マニュアルとチーム連携で守れる体制をつくることが大事です。

今日も、誰にも気づかれないところでトラブルの芽を摘んだり、不安そうな来客を一言で安心させている受付さん。

あなたの現場にも、「あの一言で救われた」「この工夫で業務が回るようになった」というドラマがあるはずです。

 

心当たりのあるエピソード、こっそり教えてもらえたら、同じポジションで頑張っている人の背中をそっと押すヒントにもなりそうです。