これは2007年の年明けの時の話です。

1月4日の日の夕方、自分は友人(A)と初詣に行くため、弥彦神社に向かいました。

地元の新潟市から車で一時間程して弥彦神社に着くと、すっかり辺りは暗くなっていました。

他にも参拝に来ている人はいましたが、夜の弥彦神社は少し怖い感じがしました。


そして無事に参拝を終えると他にやることもなかったので、ある事を思いつきました。



自分:『そういえば弥彦駅の駅舎ってすごいお洒落な造りになってるらしいんだけど、ここから近いみたいだし、ちょっと見てこようよ


と提案してみると、



A:『へー、そうなんだ。別にいいけど



とAもそれに賛同してくれたので、車を弥彦神社の駐車場に停めたまま、歩いて弥彦駅の方に向かいました。



自分:『温泉街だし、もしかしたら廃旅館とか廃ホテルとかあるかもよ?



A:『そうだね



と冗談半分に言っていました。


温泉街を歩いていると、現役のホテルや旅館は沢山建っているものの、肝心の廃墟は中々見つかりません。



そして歩きはじめて数分後、交差点の所にある案内板に、『弥彦駅→』と書かれていました。




自分:『もう少しだな



早る気持ちを押さえながらなおも駅の方に歩いていくと、前方に赤い駅舎が見えました。



自分:『あっ、あった!あれだ



A:『え?あれが駅?



その駅舎は彌彦神社の本殿を模した立派な寺社造りになっていて、確かにお洒落な感じでした。


すると駅に向かう途中、右側に大きな縦長の廃ビルのようなものが建っている事に気付きました。



自分:『あれ?なんだこの建物?



A:『廃ビルか?でかいな



よく見ると、その廃ビルらしき建物の壁には『売り物件』の看板が貼られていました。

気になったので、この廃ビルらしき建物の表側に周ってみると、その光景に思わず驚きました。




自分:『え?!これマジかよ!




↑やひこ観光ホテル全景。
(写真は明るい時に撮影したものです。)



なんとそこには、巨大な廃墟のホテルが建っていたのです!!(°Д°)



先程歩いている時に発見した廃ビルらしき建物は、実は巨大な廃ホテルだったのです…。



A:『これはヤバイだろ…



自分:『駅前にこんなでかい廃墟があったのか



突然の出来事に驚き、弥彦駅どころではなくなっていました。



『もしかしたら廃ホテルとかあるかも』と冗談で言っていたのが、なんと本当に発見してしまったのです。




建物は8階建て程もある巨大なホテルで、屋上の看板には、やひこホテルと書かれていました。


その廃ホテルは見るからに不気味で、いかにも何か(幽霊)出そうな雰囲気でした。

しかもその隣にはもう1軒、木造のボロい廃旅館もありました。



↑やひこ観光ホテルの隣にあった木造の廃旅館。
この廃墟も少し不気味だった。



更に廃ホテル全体をよく見てみると、駅前の街路灯の明かりに照らされて、廃ホテルの部屋の荒れ果てた内部が見えるため、非常に気味が悪いのです。



まるで誰かがこちらを覗いているような、とても嫌な感じがしました。



すっかりこの廃ホテルに興味を持ってしまった自分とAは、早速廃墟の周りを歩いてみる事にしました。


廃ホテルの左側に周ってみると、不法投棄なのか、ブラウン管のテレビや色んなゴミが棄ててありました。



↑棄てられたブラウン管テレビ。



そしてそのすぐ脇には非常階段があり、頑丈な鉄製のバリケードで塞いでありました。

しかし一体誰がやったのか、そのバリケードは無理矢理こじ開けたような痕跡があり、見事に破壊されていました。



A:『もしかして、ここから入れるんじゃね?



自分:『うん、多分入れるかもね…



この時、非常階段から廃ホテルの中に入れそうだったのですが、かなりヤバそうな感じがしたため、今回はやめておきました。



↑非常階段の左側にある客室らしき部屋の窓。2階の窓ガラスだけが何故か割れていた。



その非常階段のある所から左側の方を見てみると、客室らしき部屋の窓がかなりの高さまで続いていました。

しかもよく見てみると、2階の客室の窓ガラスが割れていて、そこから浴室の風呂が見えました。



自分:『うわー、ガラス割れてんじゃん



A:『ヤバイな…




続いて廃ホテルの裏側に周っていくと、建物左側の辺り(5階、6階付近)がどうも気になりました。
よく見るとそこの辺りだけ、何故かかなり朽ち果てており不気味な感じがしたのです。



自分:『あそこの階の辺り、何か気持ち悪いよね?




A:『わかる!何かあの辺だけやたらボロボロだよね…




自分:ひょっとしてこの廃ホテルの中で、一番ヤバい所だったりして…




↑やひこ観光ホテルの裏側。特に左側の辺りがボロボロになっていてかなり雰囲気があった。




そこから更にホテルの周囲を歩いて見ていくと、先程は気が付かなかったスナックらしき店舗がありました。



自分:『あれ?これも廃墟みたいだな…



どうやらこのスナックもホテルの一部らしく、やっている気配はありませんでした。


なおも歩いて行くと、弥彦温泉のMAP(観光案内の看板)のすぐ裏に、ホテルの入り口(玄関口)を見つけました。

歩いて入り口に向かってみると、玄関口の自動扉は固く閉ざされていて、更に内部は板で塞がれていました。


そしてホテルの周囲を一周して駅前に戻ってくると、改めてこのホテルの大きさに圧倒されました。



自分:『でかいなこのホテル



A:『うん、それにここ本当に(幽霊)出そうだよね…


 
自分:『もしかしてこの廃ホテル、新潟県で一番ヤバイかもよ



こうして自分らは、今後決して忘れる事のできない『新潟県最強の心霊スポット』を発見してしまったのです…。




次回の《エピソード1 心霊サイトで知り合った友人》編に続きます。