夫が亡くなって一年の月日が経ちました。

 先週末に少し早めに一周忌を行って、いただいた祭壇の花々はまだ美しく咲いていますが、少しずつ動かして一枚の複製画を飾りました。

 もう10年以上前、夫は個展などのチケットをよく何処からかもらって来て、休日に2人で京都や奈良、神戸の美術館に絵画展を見にいきました。

 京都での東山魁夷画伯の絵画展を観に行った時、帰りに売店で見かけた一枚の絵。

 直前に実物の絵を見て、心から離れなかった一枚の絵画。

 題名は「年暮る」1968年製作、大晦日に

しんしんと雪が降る京の街。

 なんとも言えない青色に暮れゆく街は、お寺と家屋が精密に書きこまれていて、薄暗い街並みの中にはぽっと薄黄色の明かりが灯る家々が。

 A4サイズのコピー画を見た時に、「あった」と呟いて見入っていると、「買うたら」とむぅさんが言ってくれたので、「ええのん?」と購入した「年暮る」のコピー画。

 いつか額に入れて飾ろうと時折出して眺めてはスケッチブックに挿んで、本棚に仕舞い込んでいました。

 夫が施設入居の為に11ヶ月家を離れて、病気と闘い終え命尽きて我が家にようやく帰宅できたのが、昨年の大晦日の前日の午前中でした。

 軽々と葬儀社の2人の男性に抱えられようやく戻って来てくれた夫、「むぅさん、お家やで、わかる?」と迎えたあの日から4日間、夫の身体は我が家に居てくれたのでした。


「年暮る」夫亡き後、この絵を見る度に私は、"年暮れる時、薄暗い街の明かりの灯った街の何処に我が家があって、今、夫はようやく我が家に帰って来てくれているんだ、"と思えて、気持ちが暖かくなるのです。 そして"このコピー画を購入したのには意味があったのではないか"、と思うのです。


この一年、何をするのでもなく、時折ブログを省みて、夫を思う毎日でした。

 夫と私を苦しめた若年性アルツハイマーは、あまりにも酷い病気でした。

 夫を思う時、まだ私はあまりにも辛くて。

 時折夫に会いにこれからもブログには立ち寄ると思いますが、一旦ブログの更新を休むことにしました。

 夫の表情、病気の進行の経過、夫との思い出、施設入院先での事等、また私の戸惑いなどを細かく書きすぎて分かりにくいブログになってしまいましたが、読んでいただいた皆様、またコメントをいただき、むぅさんと私を励まし支えてくださった皆様、ありがとうございました。

 新しき年が皆様に、また夫と同じ病気と闘われる当事者の方々に、そして支えられるご家族様に良き年になりますよう願っております。


また皆さまのブログに立ち寄らせていただく事もあると思いますが、その時はよろしくお願いします。



              yuu191218


【追記】令和6年 1月31日

ブログ終了のお知らせ


数ヶ月前から気になっていたので、先日検査をしたところ、ブログを続けることは避けた方が良い、と診断されました。(長時間のスマホ使用)

これから数回の検査でおそらく病名も確定されると思います。

歳をとったなぁ、と思います。

夫の元に逝く日まで、色んな物を見ておきたい、と思いますので、ここでブログを終えようと決めました。

色々な生き方、病気と闘われてらっしゃる方々とブログで知り合えました。

コメント等で失礼な事を書いたかもしれませんが、お許しくださいませ。


若年性アルツハイマーと闘った夫の記録はここに残していきます。

同じ病気と診断された方、また闘われてらっしゃるご家族に何かのお役にたつことを願っています。


皆様、ありがとうございました。




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