2017夏 長野・愛知・静岡36 小國神社 | 楢丁(YOUTEI) 旅の話

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趣味で書きためた旅日記が、膨大な量になりました。2020秋に脳出血、2023には食道癌を発症と、様々なことが起こりますが、克服してまた旅に出たいという気持ちは変わりません。
お付き合い頂けたらありがたいです。どうぞよろしく。

2017夏 長野・愛知・静岡36
小國神社

8/14(月)
 森町にある遠州一宮の小國神社へは、これが2度目の参拝。門前市をなす、のことわざどおり、大鳥居の脇にはみやげ物や食べ物を扱うお店がいくつかあって、11月にはそれが更に増える予定らしく、一画が工事中の様相を呈していた。


鳥居左手に展開するのが門前の商店街

 鳥居をくぐり、木立の中の参道を歩いていく。勅使道が今に残るというが、参道脇に付けられたらしいその道は、既に杉が成長して行く手を阻み、道として機能しているようには見えなかった。周囲に生い茂る杉で鬱蒼としたまっすぐの参道を抜けると、社殿が見えてくる。拝殿や本殿のみならず、周囲に建つ建物は全て檜皮葺きだが、近く全面的に葺き替える予定のようで、寄進を募っていた。


勅使道は、確かこの右手にある小径を指していたと思う

 境内は広く、ある種、神社のイデアともいうべきたたずまいだ。これだけの社殿を維持するためにはやっぱり相応の収入がなくては立ち行かないだろう。最近はそんなことが特に気にかかるようになってきた。きっかけは何年か前に琵琶湖周辺を旅したとき、あれは春だったろうか。足利尊氏ゆかりの長浜の寺で、修復のための補助金がうちにはなかなか回ってこない、という話を聞き、その後に廻った、湖東の胡宮神社?の荒れ果てた庭園と社を見てからだと思う。去年行った和歌山の粉河寺の奥にあった、庭園の美しい寺の屋根が、かなり悲惨な姿だったのなども思い出され、生き残りの戦略をどうするかというのは宗教的な問題とは離れるが、こちらも無視し得ないことだろう。

 

長浜のお寺。ここの住職の奥様に伺った話は興味深かった

 


全て檜皮葺きの社殿

 参集殿に入ってみると、モダンな神棚がいくつも展示されている。テレビモニターでは祭神の大国主命の物語をアニメにしたビデオを流しているが、これを見ていたのは我々のみだった。

 社殿の建ち並ぶ境内から右に行くと、木立に囲まれた小川に沿って奥へと遊歩道が続いている。ところどころに橋が架かる気分のいい小径、楓が沢山植えられているから、紅葉の季節には、さぞ美しいだろうと想像されるが、裏の森林は全てこの小國神社のものらしい。

 

秋にはこうなるようだ(小國神社HPより転載)

 

 以前来たときにはここに気づかなかったが、裏山は果てしなく広大のようで、時間がないとなかなか奥までは行けそうにない。もしかすると、小径を辿った先に「奥の院」のようなものがあるのかもしれなかったが、少し奥に架かる橋を渡ったのを潮に、引き返すことにした。小川はまるで底をさらったかのように平坦な流れ、小魚の姿も見えはしたが、淵や瀬をおりまぜた姿の川なら更に美しいだろうと思えば、そこは惜しい。


こんな感じに流れる小川づたいに小径が続く

 くだんの門前の店を覗いて回るが、まだやっと始まったばかり、という時刻だ。以前来たときに食べた記憶のある串刺しになった濡れおかき、これを頬張ってみたが、何だか中途半端な味で、失敗。化学調味料の気持ち悪い感じが後に残った。


やきとりじゃなく、ぬれおかき

 「お茶の詰め放題」の看板を掲げる店があった。千円で300グラムほど入るというので、これを購入。詰め放題といいながら、単に店の人が本来の包装からはみ出すようにお茶っ葉を入れるだけで、別に詰め放題というわけでもないが、それでも、お得な感じはした。

 そんなこんなで小國神社を後にする。



2017夏 長野・愛知・静岡37 八形山につづく