●何度言ったらわかるの!
お母さんが一生の内で最も多く怒る相手といえば子どもでしょう。
「何回言ったらわかるの!」とお母さんがよく口にするフレーズがありますよね。
私も小学1年生の父ですのでよくわかります。
「何度言ったらわかるのか?」
その答えは何と「532回」。そんな実験結果が発表されていました。
仮に毎日言ったとしても、約1年半掛かる計算で、気の遠くなる回数ですね。
上記の結果は言葉で説明しただけの結果ですが、
実際にやらせてみて、失敗した結果を指導すると、20回でわかるという結果もあります。
●言葉ではなく手取り足取り
上記の実験結果によると、
言うだけでなく手取り足取り教える事で26倍以上の速さで覚える事になります。
「やってみせ、言って聞かせてさせてみて、褒めてやらねば人は動かじ」
これは第二次世界大戦で日本の連合艦隊司令長官を務めた
山本五十六(やまもといそろく)氏の名言です。
この言葉は戦後70年以上経った今でもビジネスシーンで多用されています。
主に会社内の部下やチームのマネジメントでよく引用されますが、
ビジネスシーンだけでなく、子育ての親と子の関係においても同じことが言えます。
「言う事を聞かせる」ではなく、見本を見せて、同じことを同じようにさせてみる、
少しでもできたら褒める。
上司が部下に仕事を教える時にも有効です。
大人がこのステップを踏んでようやく部下が仕事を覚えるわけですから、
子どもだと尚更です。
焦らず繰り返す事で「何度言ったらわかるの!」という言葉が少なくなっていくはずです。
●子どもは言葉の意図を理解できない
お母さんと子どもの会話で以下の様なシーンはどのご家庭でもあるはずです。
例えば子どもが
子「ゲームやりたい」
親「駄目よ!」
子「やらせて!(怒)」
親「ダメっていってるでしょ!(怒)」
この様なやり取りは、お互い嫌な気持ちになってしまうだけでなく、
終始感情のぶつけ合いになって終わりがありません。
なぜ感情のぶつけ合いバトルになってしまうのか?
一見会話の様にみえますが、実は内容が噛み合っていないからです。
まず子どもは「駄目」の理由が分かりません。ですから同じ要求を繰り返します。
一方親の立場からすると「駄目」という意思を示しているのに対し、
同様の要求を繰り返す子に対し感情的になってしまいます。
この様な場合、子どもに合わせた返答にすることで多くは回避できます。
子どもの提案やお願いを断ったり否定する場合は、
出来る限り具体的に理由を伝えてあげてください。
子どもは結論ではなく、なぜそうなのかのプロセスがないと納得できません。
例えば、ゲームを止めさせたい場合
・宿題を終えていないから駄目(終われば可能などのルール)
・今日は約束の60分をプレイしたから駄目(だから今日はなし、また明日)
・これからお出かけをするから駄目(帰ってきてからOKなのか否かも)
この様に理由を説明してあげる事で子どもも理解が出来ます。
もちろん年齢やシーンによっては、それでも「やりたい!」と言う子どももいると思いますが、
まずはきちんと説明した上で伝える事で、徐々にルールや基準を守る事を覚えていきます。
もちろん否定する時だけでなく、褒める時も同様です。
すごいね!よかったね!だけではなく、
「一人で片づけられてすごいね、先生から褒められてよかったね。」など
子どもと話すときは「〇〇だから◇◇」を意識してあげて下さい。
●分かりやすいルールを設けて「イライラ」を減少
子どもへの伝え方を具体的にすることが重要であることは先ほど述べましたが、
同じく重要な項目として「ルール」があげられます。
例えば
・テレビを見るのは宿題が終わってから
・ごはんの前にお菓子は食べない
・夜9時半までには寝る
といった様なルールはどのご家庭でもあるのではないでしょうか。
もしルールが決まっていない事があれば突然決める事はNGです。
決まっていない事が突然不利なルールで進んでしまうと大人でも嫌ですよね。
そんな時はまず許容し、
「今回は決まっていなかったから良いけど、次回からはこうしようね」と
子どもと一緒に決めて次回からのルール発動にしてください。
子どもは約束は守ろうとします。
もちろん守れない事も多々ありますが、守れなかった事は認識しています。
この繰り返しが次のルール順守に繋がり、習慣となっていきます。
まとめ
●言葉だけでは伝わらない。
「見本を見せる、同じようにやらせてみる、できたら褒める」の繰り返しが大切
●もの事の伝達は極力具体的に。「なぜなら」を説明する
●共通のルールを設けてイライラ解消