ワタナベジムの思い出 | ファイト ファイト タノシイネ

ワタナベジムの思い出

9月15日に世界初挑戦を控える 河野公平とはかつてジムメイトでした。 俺が移籍して来たばかりの頃、ちょうど彼は新人王に出てました。

その年、東日本を制したものの 全日本で敗れた河野はランク入りを逃し出世街道からは遠回りをしました。

翌年A級に昇格した河野にランカー挑戦のチャンスが訪れました。相手は花形ジムの菊井徹平 ちょうど昨日行われたワタナベ対花形の対抗戦の第一回だったと記憶してます。
対戦の話を聞いた時、俺は菊井の実力をよく知ってるだけに 河野の不利を予想しました。その年の8月の試合で俺は敗れ 引退を決意し ジムから遠ざかってたとこで お世話になった渡辺会長にはなかなか本当の事が言えず 保留という形で時間ばかりが過ぎていく状態でした。

同じく花形からワタナベに移籍した 俺の現役最後の師匠、伯耆淳さんから、「河野、強いぞ!」「徹平に勝つかもよ」等電話で聞いてはいたが、河野にはまだ荷が重い感はあり
いよいよ対決の日 俺は観戦に出かけ 注目の対決のゴングが鳴りました。 序盤こそ徹平の得意なジャブにペースを取られていたものの 中盤、後半は強いプレスと手数で押しまくった 公平が2対1ながら 明白な勝利を納めました。

菊井徹平とは花形ジム時代 仲が良くお互いの家に行った事もあり彼の両親も知ってて 俺の試合の時に菊井の両親も応援に来てくれて 激励賞まで出して頂いた事がありました。

試合を見守りながら、複雑な思いもあったが、内容には感動しました。 今までならこういう熱い試合を見て 『よし!俺も頑張ろう!』って気持になるんだけど、この時ばかりはそういう感情は沸きませんでした…

俺は自分が本当に燃え尽きてる事を感じ その試合の3~4日後に渡辺会長に意志を伝えました。 『もう、こないだの河野の良い試合見ても 自分は燃えてこないんです…』 それと同じ時期に新田ジムからトレーナーとして 誘われてたのが追い風となりました。

それから河野は菊井とのリマッチには敗れたものの 敗北はそれが最後 三度目の対戦で菊井から日本王座を奪い 決着をつけ その後東洋王座も獲得 世界ランカー4人を下し 実績は誰も文句を付けられないとこでしょう
今、河野とはプライベートでも仲良く よく電話やメールでもボクシング話をしています。お互いにボクシング馬鹿です(笑) そういう訳で河野には思い入れが強く 河野の世界挑戦が決まった時は本当喜びました。 彼の試合は玄人にも素人にもウケるボクシングだと思います。 どうか皆さん、9月15日 パシフィコ横浜まで足を運んで 河野に声援を送ってみてはいかがでしょうか? 熱くなれますよ