蕗子 抄

 

 「月光」旅館

 開けても明けてもドアがある

 

 虹

 七線

 わが箴言をここに書く

 

 容赦なく

 はじまる月蝕

 血を喀く華燭

 

 

 さても未熟な

 独楽廻し

 いのち賭けても

 倒れる独楽

 

 

 海へ

 夜へ

 河がほろびる

 河口のピストル

 

 

 船焼き捨てし

 船長は

 

 泳ぐかな