ずいぶん前に「糖朝」の海老ワンタン香港麺の話を書いた。
  
この「海老ワンタン香港麺」については、多分この店に通う誰よりも思い入れがある。
だから、日本に帰ってきて、糖朝を見つけて以来、ずっと通っている。
  
とても長くなるけど、以前のブログに書いた文章をそのまま載せる。

  
「糖朝」いう店に、人一倍思い入れがあって、
それは、なんというか、今でも僕のいろんなことを支えている味だったりするから。


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「糖朝」の、海老ワンタン香港麺    
  

    
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日本に帰ってきて、最初ほんと貧乏だったんです。
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日本で音楽に関わる仕事以外、絶対にしない。
生活は、日本で音楽で稼いだ金いがいは一切つかわない、
奥さんがもってた昔の貯金も絶対使わない
オーストラリアの金も絶対使わない。
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そう決めて、やってた。 



それなりにお金も稼げるようになって、
外食なんかも問題なくできるようになった頃、
二子玉川の高島屋のデパ地下なんかも見られるようになって、

そこで、「糖朝」を見つけた。


メニューの写真で、

あ、、、このラーメンは・・・・・
って奥さんと顔を見合わせて、、、

奥さんも同じことを思ったようで・・店に入った。
おんなじような味なのかなぁ、、、、なんて言いながら。


で、、丼が運ばれてきて、目の前に置かれて、
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丼がちょっと高級チックな以外、
臭いからすでに、
おんなじものだった。


食べて、
     
おんなじだ、あれだ、あのラーメンと同じだ!!
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って、涙が出る思いだった。



1996年。
僕は京都での仕事も家も引き払って、
永住するために、オーストラリアに飛んだ。
成功するまで、どうにもならなくならない限り、
絶対に日本には帰らない、
そう決めて飛んだ。
実際、その後日本に最初に帰ってきたのは、5年半後だった。
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まず僕が行って、3ヶ月間で、住める状態をつくる。
部屋も準備して、ある程度のお金もつくって、
3ヶ月後に、当時はまだ彼女だった、奥さんがやってきた。

僕はまだビジネスビザ、永住権取得には最低でも4年かかる。
永住権を取るためにどうするのが一番有利かわからないから、
とりあえず、まだ結婚するのは後回しにしてた。
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だから、奥さんは学生ビザでオーストラリアにきた。
英語はすでに話せた、でも、上手くはなかったし、まあ、英語学校に行くのもいいだろう、、って。


で、、奥さんは英語学校に通い始め、そこで、ある、香港の女性と知り合った。
特に仲がよかったわけではなくて、顔を合わせたら挨拶はする、って言う程度だったようだ。


ある時、家の近所に、ラーメン屋さんができて、
まあ、日本のラーメン屋さんとは違うみたいだけど、
行ってみよう、って事で食べに行った。
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そこに、その香港女性が働いていた。
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仲がいいわけではないけれど、毎日のように挨拶はする顔なわけで、僕の奥さんとその香港女性は、
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「あ、どーも、、ここで働いてるんだ??」
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「うん、働いってるっていうか、主人と店を出したのよ・・」


みたいな会話をして、まあ、つまり彼女はこの店の女将さんだったわけで、、へぇーーー、なんて、思って、


お店には、鴨とかもあって、なかなか本格的な感じで、
お、、期待できるか???って、
とりあえず、海老ワンタン麺がお勧めだから、って言うんで、
それをを食べることにして、


その、海老ワンタン麺が、
今まで食べたことのない味で、ものすごく美味しくて、
びっくりしちゃって、、、、

それから通い詰めた。
 
その香港女性、つまり店の女将さん、とはそれからどんどん仲良くなって・・・
いつも店の厨房で料理している
すごく愛想は悪いけど「実はとてもいい人」だった旦那とも仲良くなって。
  
話をするようになって、僕らがいくと、
必ず何かしらサービスしてくれた。

カモを入れてくれたり、野菜炒めをつけてくれたり。
見たことのない美味しいお菓子をくれたり。


すごい美味しいから、店は案の定大人気になって、、

もっといい場所に移るから、って、街の中心部に引っ越した。
僕らも生活は安定して、収入も上がって家も買って・・・
   
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そのくらいに、日本から時々いらしてた、さくらももこさんが、
この店の大ファンになって、僕も街でなんどかお見かけはした。
  
ちびまる子ちゃんがラーメンを食べてて、おいしいって言ってる絵に、お店に寄せた言葉とサインを書いた色紙を大事に額に入れて飾ってあった。
今になって、記念に写真を撮っておくべきだった、、と残念に思う。

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夫婦は、ちびまる子ちゃんが好きで、さくらももこさんが、お店にいつもきてくれることをすごく喜んでいて、よく、さくらさんがお土産をくれた話とか、さくらさんの話をいろいろしてくれた。
   
僕はさくらさんが食事をしているところに遭遇したことはないけれど、
実際、さくらももこさん目撃談、もたくさんあって、きっと本当に好きになってくれていたのだと思う。
だって美味しかったし、日本にはない味だったもん。
   
    
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お店はその後も相変わらず、いつも大忙しで、
繁盛店になったなぁ、、と思う一方で、
なんだか、夫婦は疲れているように見えて、、
どんどん痩せていくし、、
大丈夫かなぁ、、、って思ったけど、
ラーメンは相変わらずすごい美味しかった。


でも、やっぱりあまりにも忙しすぎたようで、
もう、疲れてしまった、、みたいなことをこぼすようになっていた。
   
で、、しばらくして、人気店だから店ごと売って、いいお金になって、引退しちゃって。
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その後も、夫婦仲睦まじくショッピングセンターなんかで会うこともあり、見かけては少し話したたりしたけど、、
いつもまにか、たぶん何処かへ引っ越したのか、見かけなくなって、
そのうち僕も、日本にくるようになったりして、、、
以来会うことも無くなった。


その店自体はまだ継がれてあったけど、やっぱり味は変わってしまっていて行かなくなった。
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もしかして、同じだったりして・・・・
って言った「糖朝」の海老ワンタン香港麺は、
     
その、思い出の海老ワンタン麺と、

驚くほど、同じものだった。
薬味についている、ラー油まで、おんなじだった。
  

いや、おんなじのような気がするだけかもしれないけれど、
少なくとも、僕らの思い出にある味に、同じだ、と思うほど似ている。

僕らが食べていた、あの夫婦の海老ワンタン麺の
倍の値段で、量も少ないけれど、、
それでも、おんなじ味が、日本で食べられる。

 


  


で、その糖朝、だけど、、、

美味しいのは海老ワンタン香港麺だけではなくて、
お粥も人気なんだけど、、

ランチにお店に入ると、ほぼ全員が、海老ワンタン麺のセットか、お粥のセットを食べてるのね、、

でも、実は、他の、一品小皿料理、がとても美味しいのです。
たまに、一品料理たちでビールを飲む、ってのをやります。

   
なので、ちょっと紹介したい。
メニュー名は、正確には覚えてないから、ちょっと違うかもだけど、、
    
とりあえず、何度か行って、僕の定番になってるやつ
全部美味しいので、メニューの説明だけを書きますね。 

      

  
海老雲呑、ネギソース。
海老ワンタン香港麺に入ってる海老ワンタンをあったかいネギのスープに入れたもの。


青菜炒め
まあ、これは定番だよね。




咸水角(ハムスイコウ)
これ、二子玉川のいつもいるウエイトレスさんには、

ハムスイコウで通じるんだけど、
メニュー名は、確か「五目餡入り中華揚げ餅」みたいな感じだったと思うのね、
からしは僕が好きだからかけてるだけで、からしつけて食べるのが定番ってわけじゃないです。
これ、嫌いな日本人っていないんじゃないかな・・・
 



排骨の豆豉蒸し
これも、いまいちメニュー名が覚えてない。
つまり、豚スペアリブを豆豉のソースで蒸したもの。
これはご飯でも美味しい。



   

  

海老の春巻き(だったかなぁ・・)
なんか、海老とチャーシューを春巻きにしたもので、
これはカラシが付いてきたような気がする。
なんか、この日はかカラシをつけたかったんだね。
いつも、カラシつけてるわけでもない。


   

  
豆花(トウファ)
これね、普通は、ドライアイスと水で、周りのボウルの中を雲みたいにしてあるの。
僕はそれがあんまり好きじゃなくて、ドライアイスなしで、、、ってお願いして作ってもらう。
で、この日は、普段ある、白木耳(シロキクラゲ)がなくて、代わりに天草ゼリーとか別の具材でだったら作れるのだけど、、どうしましょう、って言われて、僕自身は正直、白木耳にこだわりないので、ぜんぜん構いません、って注文して、出てきたんだけど、むしろこっちの方が好きだなぁ、、、なんか、いつものが出せなかったから、ってちょっと他でサービスをしてくれた。



大好きな「糖朝」僕は二子玉川の高島屋の中の小さなお店しか行ったことない。

基本、香港のお店だけど、日本では、

僕が行ってる二子玉川以外に、

日本橋高島屋、
東京ミッドタウン
名古屋
阪急梅田
なんば
京都
横浜ランドマーク
東洋大学赤羽台キャンパス

にあるらしく、店舗によっては、糖朝CAFE という形態のようです。
なにしろ、僕は二子玉川の店しか知らないもんで、、、、

とりあえず、ほんと、大好きな店。
おすすめでーす。