■わかりづらくなる理由

私は医師ではなくコーチなので、
アスペルガー症候群っぽい人を
あすぺるがー風な人、
略して「A風な人」と呼んでます。

A風な人から
何かを教えてもらうとき、
ひどくわかりづらいことが多いです。

それは、
A風な人の優越性の追求が
矛盾しているからです。

その矛盾とは、
A風な人が何かを教えることは、
劣等感を得る面と
優越感を得る面との両面がある、
ということです。

この両面が対立するので、
結果、わかりづらくなるのです。

なお、
優越性の追求とは、
安心や嬉しい感覚である
優越感を得ようとすることです。


A風な人が持つ情報を
相手に教えてしまうと、
その相手は自分と同じ情報を
知っていることとなり、
その情報についての上下がなくなり
優越感を得られなくなってしまいます。

その優越感は
知らない相手が下で、
知ってる自分が上、
という上下関係によって得られます。

情報を教える前までなら
その上下関係によって
優越感を得られると
A風な人は思います。

それは例えば、
「そんなことも知らないの?」
「それを知らずによくやってこれたね」
などと相手を悪評価することで、
自動的に自分を好評価することになり、
そこに優越感を感じるわけです。

これがなくなることに
劣等感を感じてしまうわけです。


一方で、
相手が知らないことを
相手に教えることは、
「教える」という行為をするたびに
自分が相手より上の立場と感じるため、
そこに優越感を感じるのです。

「教える」で優越感、
「同じ情報を持つ」で劣等感を
それぞれ得るわけです。

そのため、A風な人は、
なるべく劣等感を得ずに、
優越感だけを得ようと
したくなるのです。

つまり、
「教える」という行為はするけど、
「同じ情報を持つ」とならないように
わざわざ理解できないような説明をして、
それを実現させようと努力する結果、
ひどくわかりづらいことになるわけです。

■その対策

教えてもらう側としては、
「教える」をしてもらったときに
積極的にA風な人を好評価することで
わかりやすくなることが
期待できます。

優越感をたくさん感じてもらって、
劣等感を得ることに
注意がいかないようにすることで、
A風な人はついついうれしくなって
「教える」に力を注いでくれる、と
期待できるわけです。

「いいですね!」
「すごい!」などで盛り上げてから、
「ちなみにそれって具体的には
〇〇ということで合ってますか?」
みたいに具体的に訊いていきます。

するとA風な人は
優越感をよく感じるために、
調子に乗って教えてくれやすくなります。

そして教えてくれることが
理解できたなら、
それについても好評価を示すことです。

「なるほど、そういうことなんですね。
具体的に教えていただけたので
理解できました!ありがとうございます!」
みたいな感じです。

そうすると
「教える」で優越感を得られるために
「同じ情報を持つ」による劣等感に
かまっているヒマが
なくなる感じになります。

それは、A風な人にとっては、
感謝をする側が下で、
感謝をされる側が上という
上下関係をよく感じられるために
起きる感じです。

そんなに上になれるなら
「同じ情報を持つ」となっても
自分が上のまま、
つまり支配者のままでいられると
感じてくれやすくなるわけです。

これはA風な人が、
支配者の立場でなくなったら
どうしてよいかわからない、
という心理的な力学をも
利用していることになります。

どうしてよいかわからない状況には
絶対になりたくない、と
A風な人は思うので、
支配者のままいられると
感じられることは、
A風な人にとってなによりの優越感、
すなわち、
安心を感じられることなのです。

こうしてA風な人の
「教える」を活性化させ、
「同じ情報を持つ」を
目立たなくさせることで、
わかりづらかった説明を
わかりやすくすることが
できるわけです。




お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ10年目、常楽でした。




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