■目黒不動尊のご住職の教え

目黒不動尊のご住職から
教えていただいた中に
「昔は”祈りの中の生活”
今は”生活の中の祈り”」
がありました。
(目黒不動尊は、正しくは、
「泰叡山護國院 瀧泉寺」といい
平安時代から続く伝統あるお寺です。)


”祈り”とは、いろんな解釈があります。

・ただ一点に心を向けること
・願い事を願うこと
・ひとつのことに集中すること
・理想を強く思うこと

宗教では「神を思うこと」とか
「神とつながること」とかに
解釈されたりしてます。

いろいろあるので
ひとつのことに心を
集中させる精神的な活動

としてみるのがちょうどよいと
感じてます。

昔は現代ほどに
情報の流入がなかったために
「こうなったらいいな」とか
「あんな風にしたい」とかを
思う機会がよくあったのでしょう。

これって、コーチングでいう
ゴール設定」に似てます。

未来の一つの時点において
「どうなっていたいのか」
「どうなったら満足か」
などの理想を具体的かつ
客観的に決めることです。

客観的に決める、とは、
言語化することです。

当然ですが
「こうなったらいいな」と
心に思い描いたものの情報より
言語にしたものの情報の方が
少ないです。

少ないので
鍵言葉としてちょうどよいのです。

例えば
「英雄になりたい」
というゴール設定をすると
どんな英雄なのか、
誰にとっての英雄なのかは
言語ではわかりません。

でも、これを鍵言葉として
心に思い描くことや
身体の感覚として感じるものには
すべてが入っています。

つまり、
「英雄になりたい」と
自分が祈る(意識する)と
それを鍵にその奥にある
ひもづくすべての情報と
つながることができる
わけです。

「英雄になりたい」と思う自分は
その「英雄になりたい」という状況を
その時点で体験しているわけです。

あとは
ゴールから逆算するがごとくに
「何をするのがふさわしいか」が
次々に決まっていきますから、
ほぼ自動運転になります。

そして、これも当然ですが、
活動を始めると経験や情報が
増えていきますから、
ゴールも更新されていきます。

当初にその山に見ていた印象が
山に登っていくにつれて
変わっていくのと同じです。

この山には
こんな花も咲いているのか。

この山からは
こんな景色が見えるのか。

この山は思ったよりも
険しいな、とかです。

「思ったのと違った」と
感じる部分が上書き更新されて
随時、最新の状態になるわけです。

現代よりも
触れる情報の少ない昔は、
そうした”祈る”という活動が
しやすい環境でした。

逆に見ると
”祈る”しかない感じです。

インターネットはもちろん、
図書館や電話や地図さえも
なかった頃は、
自分で調べてみても
知れる限度がありました。

その逆に現代では
インターネットをはじめ、
図書館や電話や地図、
さらにはいろんなセミナーが
開催されていたりして
情報を得ようとすれば
際限なくできてしまえるほどです。

情報を得ることや
得た情報を整理することに
忙しくなると、
”祈る”をどんどん後回しに
してしまいがちです。

そのためか
「あなたは一年後に
どうなっていたいですか?」
と質問されると、
考えてしまうことが多いと
感じています。

昔は”生活のすべてが祈り”だったので
一年後は〇〇になっていたいです、と
すぐに答えることができたのだと
想像できます。

なぜなら、いつも
「〇〇してみたい」とか
「〇〇になったらいいな」とかを
心に思い描いているからです。

幼い頃に友人から、
流れ星に願い事をすると叶う、
というのは、
「流れ星が現れたら
すぐに願い事をできるように
常に備えておくから」だよ
、と
教えてもらったことがあったのですが、
妙に納得・感心したことがありました。

それと同じで
”生活のすべてが祈り”なので
いつも理想を感じながら
生活しているので、即答できると
容易に想像できるわけです。

■ゆるやかに理想の実現へ

たくさんの情報に触れられる現代では
どんな情報を得られるか、よりも、
理想に有用な情報を得られるか、の方が
大切です。

その理想が抽象的であれば
どんな情報がその理想に有用かも
抽象的になってしまって、
何を調べたら良いのか、
何を経験すると良いのか、も
よくわかりません。

そこで、
理想を具体的にすることで
よくわかるようになります。

理想を具体的にするのは
人によっては怖れを感じます。

今の生活で適度に安定しているのに
具体的にすることで
その安定が崩れてしまうのでは?とか
苦労をしょいこむことになるのでは?
とかを思って心配になるのです。

今の適度な安定を続けたいと感じるのは
生存本能のはたらきです。

生存本能は予測できない状況は
危険と感じるので、
その危険を避けさせようと
心にはたらきかけます。

それが「不安」や「心配」となって
具体的にする活動を止める方向に
作用してしまうのです。

そんなときは
”祈り”を増やすことを
始めること
です。

それはつまり、
理想をよく思う、ということです。

最初はただ夢みるだけに
終わるかもしれません。

それを、
生活の中の一部だけで終わらせず
いつもどうなったらいいのかを
思うことを基礎にしてみます。

やってみたいこと
なってみたい状況
できたらうれしいこと

そんな理想を
思い続けることです。

そして、
それをよく思えるように
今の自分にちょうどよい鍵言葉を
設定することです。

そうして鍵言葉を使い、
よく思うことで、
理想は具体的になっていきます。

具体的になっていくにつれて
何が必要か?も具体的になります。

そうして理想の実現
一歩ずつ近づいていきます。






お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ10年目、常楽でした。



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