■目黒不動尊のご住職の教え

目黒不動尊のご住職から
教えていただいたことに
帰家穏坐」がありました。
(目黒不動尊は、正しくは、
「泰叡山護國院 瀧泉寺」といい
平安時代から続く伝統あるお寺です。)


「帰家穏坐」とは禅語であり、
「きかおんざ」と読み、
自分の本来いるべき場所に帰り、
穏やかにいること
、という意味です。

これを心理的に読み解くと
自分の本来の姿に戻って
静かに満たされること

とも解釈できます。

満たされる、とは、
もうそれ以上何もしないでも
満足・安心できる状況です。

人は生まれたときは
本来の自分そのものです。

本来の自分そのものなので
本当に好きなことしかしません。

その後に育つ過程において
生命として生き延びるには
社会的に有利になった方が
その実現可能性が高まる、と
学習します。

その”社会的に有利”となるには
自分の姿を本来の姿を
社会的に有利になるような姿に
変えていくことで実現できるとも
学習していきます。

例えば、
自分の好きに話していたら
相手が傷ついて周囲の人たちから
とても責められた経験をすれば、
「自分の好きに話し過ぎると
周囲から責められるから、
自分の好きばかりではなく
相手が受け取りやすい話をした方が
生存可能性は高まる」
として、自分本来の姿から
社会的に有利になる姿へと
自分を変える
感じです。

そうして、
変化に変化を重ねていくうちに
確かに生存可能性は高まるものの、
本来の自分の姿が何だったのかが
次第にわからなくなっていきます。

周囲に合わせ続けると
周囲に合わせる自分にはなれても
100%自分の好きでいる自分には
なれない状況へとなっていき、
一体自分は何をしたいんだろう?
と迷ってしまうわけです。

そんなときに
帰家穏坐」を思い出し、
本来の姿を取り戻す活動をして
本来の自分を体感できると、
とても穏やかにやすらぎを
感じることができ、
その瞬間は満月のように
満たされた自分となることができます。

■自分と対人関係を区別する

他者の都合に合わせることと
本来の自分で居ることとを
ごちゃまぜにすると、
他人に合わせるために
本来の自分を変えたり曲げたり
することになります。

すると本来の自分が
一体何だったのかが
わかりにくくなってしまうので、
それぞれに区別して扱うようにすることで
それを防ぐことができます


例えば、
自分はリンゴが好きだけど
その場の他の人は皆
オレンジが好き、だとします。

その場合に、
自分もオレンジを好きになって
他者との良好な関係を持つ方法も
あります。

その一方で、
自分はリンゴが好き、と
他者はオレンジが好き、とを
並列に扱って、どちらもいいよね
とやりとりして良好な関係を
持つこともできます。

もしも他の誰かが
リンゴが好きだなんておかしいよ。
オレンジが好きなのが普通なんだよ。

と言ってきたら
そこは勇気の使いどころです。

そこでその人の理論を受け入れて
「そうですよね、私もオレンジ好きに
なる努力をこれからするので、
仲良くしてください。」とすると
本来の自分を曲げることになります。

反対にその人の理論に反論して
「そんなことありませんよ。
リンゴが好きなのが普通なんですよ、
オレンジ好きの方がおかしいんですよ。」
なんて返してしまうと、
たちまち競争が始まってしまいます。

これに”区別”を入れると
「どちらが正しいか」
という議論にはならず、
どちらもいいね
との方向に話を進めることができます。

そうすれば、
本来の自分も大切にできるし、
自分と違う他者も大切にできますから、
本来の自分を忘れることなく
他者とも良好な関係を
持つことができます


■3つの時間

本来の自分を大切にするには
3つの時間を予定することで
簡単になります。

3つの時間とは
①一人の時間
②ふたりの時間
③みんなとの時間

です。

①一人の時間、は
自分ひとりで
自分の好きにすごす時間です。

すごすことについて
誰にも邪魔されないので
本来の自分の姿でいることが
簡単です。

この時間がある限り
帰家穏坐できます。

②ふたりの時間は
恋人との時間です。

親友との時間も
含める人もいます。

③みんなとの時間は
仕事関係の人たち、
友人たち、
家族との時間です。

■本来の自分を思い出すには

本来の自分を忘れてしまった場合に
それを思い出すには、
「これが本来の自分では?」と
感じることをすること
です。

例えば、
水が好きと感じたなら、
きれいな湖や池に行ってみたり
湧き水の源泉に行ってみたり
温泉に行ってみたり、
海に潜ってみたり、など、
水に関する体験を自分に
させてあげることです。

活動しているうちに
これ好きだな」とか
妙に居心地よいなあ」とか
静かに満たされる感覚
感じると、そのあたりに
本来の自分の姿があります。

やればやるほど
さらに満たされる感覚を感じたり、
どんなにやっても
疲れを感じない感覚を感じたりします。





お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ10年目、常楽でした。




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