■限界を超える普通

コーチングの目的は
「変革」です。

今の世界にはない目的を
見つけること
です。

そんな目的を見つけられると
見える世界がガラリと変わります。

例えば、
実家暮らしの人が
一人暮らしすると
「なるほど、こういうものか」と
あれこれわかる感じに似ています。

今までの世界には
実家暮らししかなくて
その世界に一人暮らしは
ありませんでした。

でも一人暮らしをする目的を
見つけることで
実際に一人暮らしをします。

そうすると
今まで「暮らし」は
実家暮らしだけだったのが
一人暮らしも加わって
世界が広がります。

さらには、
今十分にしあわせを感じている人が
今の世界にはない目的を見つけることで
さらに感じるしあわせを増やせます。

今までの世界では
感じるしあわせが限界まで
達していると見えていても、
その世界の外側に目的を見つけることで
今までの限界が消えて
感じるしあわせがまだ増やせることを
知ることができます。

そうして限界を何度も
越えていくことは、可能です。

どこまでも
感じるしあわせを
増やしていくことができるわけです。

■感情の整理

今の世界にはない目的を
見つけるためには、
感情が整理されていること
重要です。

例えば、
生活するお金に困っていたら
生活するお金を工面することが
当面の目標になり、
その目的は「生き伸びること」と
なるでしょう。

例えば、
家族に問題を抱えていたら
その問題をまずは解決したいと
通常は感じるでしょう。

例えば、
経営する会社の業績が心配で
夜も眠れないのなら、
会社の業績を安定させることを
まずはしたくなるでしょう。

だから、今の世界の中に
解決したい問題があれば
まずはそれを解決することです。

そのためには、
「どうなったら良いのか」
「どんな状況になると解決なのか」
という理想を具体的に持つことです。

とにかく自分が生き延びたい
という目的だけでは
今の世界の中で活動するだけになり、
さらには関心が自分自身に
向いているのでよい状態とはいえません。

まずは自分が生き延びることが
たやすくなる状況
になって
関心を他者や共同体に向けられるように
ならないと、今の世界にない目的を
見つける活動には取り掛かれません。

そこで効果的なのが
コーチとの対話による
感情の整理
です。

感情の整理をしていくと
やりたいことしかやらない
ようになります。

神経症(心の病)の人が
今の神経症の症状がなくなったら
どうなっちゃうんだろう?と
心配になって症状を
手放せなくなるのと
真逆の状況です。

新しい可能性があれば
それを確認して
どうするのかを決めていくので
可能性のままのものは
基本的にありません。

あるとしたら
あまり重要じゃないものです。

だから人生を何度も生きるような
感覚を感じるのかもしれません。

ちなみに、神経症の人が
症状に依存するのをやめてみるのは
今の自分の世界にはない目的を
見つけたことに等しい状況です。

そうして感情を整理していくと
「自分はもう大丈夫だから
他者の役にもっと立ちたい」みたいに
湧き出る欲が変わっていきます

自分自身が生き延びることが
たやすい状況になったら
いよいよ今の世界にはない目的を
見つける活動が始まります。

■メンタルコーチ

メンタルコーチの仕事は
クライアントのメンタル指導です。

クライアントが今問題を抱えていたら
その問題の解決を目指します。

問題があることで
自分を守っている人もいますので
人によって課題は様々です。

ひととおり問題が解決されると
クライアントの今の世界の目的を
感情を整理しながら見ていきます。

その後は、
その目的の実現を目指しながら
クライアントの今の世界にはない目的、
つまり、真に実現したいこと
見つけることを目指していきます。

その活動の中においても
新しい問題は出てきますから
それも感情を整理しながら
解決していきます。

そんな新しい問題も
今の世界にはない目的を
見つけるよい刺激になったりします。

そしてついに、
今の世界にはない目的を見つけたら、
その実現を目指しながら
それが真に実現したいことなのか
どうかも検証していきます。

検証を進める中で
違ったら修正します。

そうして探すことで
やがて範囲が絞られていくようにして
真に実現したいことが見えてきます。

あとはそれを
実現していくだけです。

そしてさらに、
今まで真に実現したいこと
実現した場合には、
「真にやりたかったこと」が
更新された
、ということです。

真に実現したいことは
常に同じとは限りません。

クライアントの状況によって
更新されていきますから、
どこまでも極め続けることが
できる
のです。

この活動はもはや
クライアントが自分の人生を
極め続けていく活動、といえます。

実際の人生は一度きりですが、
コーチングを使うことで
ゲームのように何度も
人生を生きているかのような
感覚をよく感じます。

映画なら、
最初は初めてなので
どこで何が起きるかわかりませんが、
何度も観ていると
どこで何が起きるか
わかるようになります。

人生を極め続けていると
実際の人生にそんな感覚を
感じることすらあります。

そんな中に身を置いている私は
よく自分の年齢を忘れます。

■自立心が大切

コーチングは使うものであって
受けるものではありません


あくまでも
決めるのも実施するのも
クライアント自身であって
コーチはメンタル指導をするだけです。

自分の人生は
自分が所有しており
自分が責任者です。

誰かが代われるものでは
ないことは誰でも
わかっているでしょう。

でもたまにコーチに
どうしたらいいですか?」と
訊いてくる人もいます。

その場合コーチは
あなたはどうしたいと思いますか?
と訊き返すことになります。

そのコーチの問いかけに
反発する人は
現状のままでいたい人です。

逆にそのコーチの問いかけに
「〇〇してみたいです」と
今の自分の精一杯で答える人こそ
今の世界にはない目的を
見つけようとする人
です。

目的によって正解は決まります。

目的が違えば
正解も変わります。

その目的の主たる成分が
「〇〇してみたい」という欲です。

自分の心のありのままを感じて
それを言葉で表現してみることは、
それを普段していない人には
困難なことです。

でも、そうしなければ
本当にそれが自分のありのままの
やりたいこと(欲)なのかが
わかりません。

だから違うかもしれないけど
まずは言葉にしたりして
自分の中から出してみることが
大切です。

出すことでそれが
本当にそうなのかを
感じることができますから。

さらには、実際にやってみないと
自分がどう感じるのかも
わかりません。

やってみたら意外とよかった、のか、
やってみたら意外とダメだった、のか。

感情の整理は
自分のありのままの心と
まっすぐにつながるために
とても大切な行為です。

そしてその指導をするのが
メンタルコーチ、というわけです。

「変革」を目的として。



お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ10年目、常楽でした。



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