■生き延びたい

失敗したくない人の目的は
「成功」ではありません。

端的に言えば
「生き延びたい」です。

失敗は生存可能性を低める
”孤立”や”死”といった方面であり、
その方面を回避することで
生き延びられる、というわけです。

成功したい人の目的は
「成功」ですから明確です。

でも失敗したくない人は
何かを実現したいわけではなく
「失敗以外の状況なら何でもOK」
となっており、不明確です。

目的が「失敗以外」なので
「何をすればOKなのか」が
決まっていないので、
焦点が絞れず
力をどこに注げば効果的なのかが
わかりません。

だから
「失敗したくない」は明確であっても
そのために具体的に
「何をしたらいいのか」が
わかりません。

結果、動きが止まってしまうわけです。



■目的から始める

「失敗したくない」は
目的にしようとしても
機能しないので
実質的に目的にはできません。

なので「失敗したくない」と
感じたときは
「それなら自分は何したいのか?」
とやさしく自分に確認する機会です。

そして
「〇〇ない」という
特定の状況を回避することを
したいのであれば、
それを「〇〇ある」という
言葉に置き換えることです。

例えば
楽器を始めるにあたって
自分の正直な気持ちに確認したら
「恥ずかしい思いをしたくない」
と出てきた。

これは「〇〇ない」なので
これを「〇〇ある」に置換します。

納得できる状態になるまで
練習してることを秘密にする。

みたいに。

そうすると
「失敗したくない」は目的でなくなり
「楽器をたのしむ」とか
「あこがれのあの曲を
弾けるようになりたい」とかが
具体的な「○○ある」の形で
目的となります。

この形であれば
力をどこに注げば効果的かは
取り組む中で見えてきますから
「何をすればOKなのか」が
よくわかるようになります。

こんな感じで
目的の整理から始めると
動きが止まることなく
すごすことができます。



■失敗と戦わない

「失敗してはならない」と
自分に制約をかけるのは
自分に過度な負荷をかけてしまいます。

目的を実現する過程は
やってみないとわからないこと
だらけです。

実際にやってみて
「思ったのと違った」
という状況をすべて失敗として
自分の罪と認定し、
その罪を罰することを
繰り返していたら

目的が
「目的地への到着」から
「失敗しないこと」に
なってしまっています。

「思ったのと違った」なんてことは
日常茶飯事です。

玄関を開けて
外を歩けば
思ったのと違ったことなんて
いくらでもあります。

今日は涼しいかな?と思って
外に出たら強烈な日差しで
とても暑い日だった、とか

なんだか静かだから
外は人が少ないのでは?と
思って外に出てみたら
予想より多くの人が歩いてた、とか

細かいこと見ていくと
「思ったのと違った」は
いくらでもあります。

「思ったのと違った」は
その違いを認識して
適応していくことで
生存可能性を高めていくことが
できる大切なことです。

それを「失敗だから」と
自分に罪を着せて
責任とれと罰していたら
出かけることすら
できなくなってしまいます。

そうして目的と戦うことは
理想を実現する活動には
役に立たないことです。



目的があれば
失敗も普通に出てきます。

その失敗を経験値として
前に進む力に変えることで
自分の生存可能性は高まります。

そして、失敗によって
得た経験値があれば
より頼もしい自分となり
継続するうちに
やがては当初の目的を
軽々と実現できてしまうような
自分になっているでしょう。

赤ちゃんは歩けないけど
失敗を繰り返して
経験値を得ていくうちに
簡単に歩けるようになります。

普通にできるようになると
それが当初の目的であったことも
忘れるほどの”ささいなこと”に
なってます。

今の自分が持つ目的だって
同じです。




お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ9年目、常楽でした。