先回は車体側の分解でした。今回は残る下回りを分解してみます。

下回りを分解する機会は、ライトユニットの交換やLED化加工する際くらいかと思います。

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先回の分解作業でこの状態になっています。

 

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下回りは概ね、上部から「銀色のライトケース」、「クリーム色の座席パーツ」、「黒色の床板」、「台車」の順に構成されています。
 
では順に分解していきます。
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ご承知のように、「台車」は中央の黒色ネジを緩めることで外すことができますが、木ネジのような形状をしたセルフタップネジで黒い床板を介してクリーム色の座席パーツにねじ込まれています。

 

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前後の台車とも外した状態です。他の構成品である座席パーツ等はまだ外れていません。

 

カプラー交換は、台車を外した状態で作業すると楽にできます。(台車を外すだけであれば、車両の分解は不要ですので、いきなり台車ネジを外せば可能です!) 台車を戻す時は、あまり強くねじ込むと座席パーツの穴が広がって馬鹿になって空回りするようになるため、最悪台車が抜け落ちるようになりますので、止まったなの感が得られたらねじ込みは止めて下さい。

 

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折角、台車を外しましたので、走行時にライトがチラつく場合の処置方法を記載します。台車から上方に突き出ている集電板上部の半円形(逆U字形)部分を、目の細かい小型の鉄ヤスリで、円周に沿って軽くヤスリ掛けして下さい。銅色に輝く断面が現れたら完了です。左右それぞれの集電板をヤスリます。当然、もう一つの台車も同じようにヤスリ掛けして下さい。見違えるように安定点灯するようになります。

 

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私の使用している目の細かい小型の鉄やすりです。
 

これでもチラつきが治らない時は、車輪の汚れの可能性があります。車輪を台車から外してアルコールに数分漬けてからティシュペーパーで車輪のタイヤ面(レールに接する面)の汚れを拭き取って下さい。この処置でもまだチラつきが改善しない時は、レールの汚れが酷いと考えられますので、レールを清掃してみて下さい。


分解作業がいつの間にやらチラつきに脱線してしまいました。 脱線復旧作業に着手(話を分解に戻します)!
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先頭車はライトユニット関連のパーツが乗っていますので、最初に「銀色のライトケース」から外します。ライトケースの後部にある黒色ネジを外しますが、このネジはクリーム色の座席パーツを介して黒い床板にねじ込まれています。(台車とは逆の止め方です)
 

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ネジを外すとライトケースが斜めに立ち上がった状態になります。ライトケースを持って、後ろ方向に引きながら前方の爪で床板に挿し込まれた箇所を抜き、今度は前方向に引きながら座席パーツ下に潜り込んだ線バネ状の集電線ごと抜き去れば、ライトケースが外れます。

 

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ライトケースの中にはライト基板がセットされていますが、LED化加工の機会に改めて解説することにします。(→こちら

次に、「クリーム色の座席パーツ」を外します。
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「クリーム色の座席パーツ」は、中間部と連結面側で、黒色の床板に挿し込んで固定してあります。中間部分には角穴があり、ここに床板から出た黒色の固定爪が向い合せに2箇所あります。座席パーツを向こう側の側面方向に押しながら、向こう側の固定爪のロックを解除し、座席パーツを少し浮かせて固定爪から逃げます。手前側の爪も同様に外します。

 

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座席パーツは、更に連結面側で黒色の床板と一体成型された逆L字形の固定箇所に挿し込まれています。
 

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中間部分が外れている座席パーツを寝かせた状態で手に持って、前方に引いて連結面側に挿し込まれた箇所から座席パーツを抜き去ります。
 
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今迄は座席パーツで隠れて見えなかった床板上面に、鉄製ウエイトと車両用集電板が見えるようになりました。先程の台車の集電板上部の半円形部分が、この車両用集電板の底面で接触することで車内への通電を担っています。ライトケース内のライト基板から出ていた線バネ状の集電線は、座席パーツの長穴(スリット)をくぐってこの車両用集電板の上面で接触していた訳です。 なお、このウエイトは通電には関与していません。

新103系の分解方法を、先頭車のクハ103を例に3回に渡り記述しました。中間車も同様な構成(ライトケースがないだけ)ですので、同手順で分解可能です。元に戻す復元をする際には、必ず分解とは逆の順序で慎重に作業して下さい。くれぐれも自己責任でお願いいたします。

 

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 KATO 新103系の分解方法(3)