多分、小学生の高学年か中学生になる頃やったんやないかと思う。
つまりは、それまでは、自分の顔がどんな顔かは知っとっても、それを他の誰かと比べてどうなんか?というのは考えとらんかったと思うんやね。
それが他の誰か、身近な友達とかテレビの有名人とか。
鏡に映る自分の顔。
どうやら、今で言うなら「イケメン」とはほど遠いと言う事に気がついた。
友達のA君なんかはなかなかカッコいいんやないか?
それにひきかえ、自分の顔って。
これ、絶対、女子にモテない。
モテるワケがない。
私のような男は一生独身と決まった。
いや、付き合う事すら無いやろう。
こんな醜男と付き合う女子などいるわけない。
そう思い込んで泣いた。
「男は顔じゃない」なんて話を聞いてもまったく信じなかった。
さらに、モテない要素の「でぶ」まで兼ね備えてて、もはや完全に女子と付き合えるなどと言う希望は絶たれた。
そして私の心は卑屈に曲がりくねり、女性アイドルやアニメのヒロインへと向かった。
自分にはそれしか無かった。