「熊平商店」とは、現在の株式会社クマヒラ。
ちなみにマツダスタジアムの外野レフトフェンスにクマヒラの広告があり、私はそれでクマヒラという会社があるのを知った。
しかし、この金庫、かなりの年代物で、製造番号らしきものも見当たらず、今のクマヒラに問い合わせたところで対応してもらえるのだろうか?
金庫上部のプレートにある広島市革屋町は昭和40年4月1日に廃止されており、そうするとこの金庫は少なくとも60年以上前のものということになる。
とりあえずダメ元でクマヒラの営業所に問い合わせてみたが、やはり古すぎてクマヒラでは解錠できないとのこと。
(でも、とても丁寧に対応していただいた。
クマヒラの担当者様、お忙しいところありがとうございました)
解錠できてもできなくても、どのみち金庫は処分せざるを得ないのだが、金庫って粗大ゴミでは出せないらしい。
調べてみたら、金庫の解体と回収ができる業者があったので、そこへお願いすることにした。
その業者でも鍵を開けることはできず、結局、金庫上部を電動切断機で切断して穴を開け、そこから中身を取り出してもらった。
お金はかかったが、長年の懸案だった金庫の処分が終わり、少しホッとした。
しかしまだ片付けなければならないものが残っている。
最近、もし私が急に死んだら、と考えることが多くなり、こんなに物を残して死んで迷惑な奴だと思われたらどうしようと不安になる。
(別に死んでからどう思われようが、いいっちゃいいんだけど。)
でも、死にはしなくても、今後引っ越すこともあるかもしれないと考えると、今のうちに物を減らしておくに越したことはない。
ただ、夫の靴や服は、できれば最後まで残しておきたいと思っている。
玄関には今でも夫の愛用した靴やスリッパが置いてある。
それは、夫への愛着もあるけれど、誰かが訪ねてきた時に、女一人の家だと思われないようにという防犯の意味もある。
夫の使っていた物は私のお守りのようなものだ。
本当は、これからもずっと、夫が暮らしていた頃のまま、夫の物は全て残しておきたい。
同じ経験をされた方々の中には、大切な人の物を整理できないという人もいるかもしれないが、置き場所があるなら無理に整理しなくていいと私は思う。
いつまでも気持ちの整理がつかないように、大切な人が使っていた物には色々な思い出が詰まっていて、簡単に整理はできないと思うから。

