私のやることなすこと、全て裏目に出ている気がして、どうせ上手くいかないと、何をするにも投げやりな気持ちになっています。

約2週間前に夫の通院治療の予定だったのが、急に歩けなくなり、救急車でいつも通院している病院に連れていきました。それから夫の意識が朦朧として、意味不明なことを話すようになり、まともに意思疎通できなくなりました。腹水がたまり、手足も浮腫んできました。もう誰が見ても、余命あとわずかな状態です。

時期も悪く、年末年始の長い休みの前で、介護保険のサービスやホスピスの申請は、年明けとなってしまい、それまではスタッフの少ない慌ただしい今の病院に入院せざるを得なくなりました。

ホスピスは年明けに申請しても、もう間に合わないと思います。

在宅看護も、介護ベッドなどの申請や訪問看護ステーションとの調整があり、すぐに家に帰るのは難しいと思います。

このまま、今の病院で最期を迎える可能性も高いです。

夫の癌がだんだん進行し、痛みが出てきたあたりから、最期は在宅で看取るか、ホスピスで安らかに逝かせてあげたいと思っていました。

ホスピスは都内に20ヶ所ほどあり、どこも20床程度しかなく、1年以上待つ所もあるそうです。なので待機者がたくさんいて、入れないまま亡くなる方も多いようです。

今となっては、病院選びやホスピス・介護の準備について、あの時こうしておけばというターニングポイントがいくつかありました。

①癌発覚時
そもそも膵臓癌と発覚した時点で、肝転移のステージⅣb。もうその時点で抗がん剤で癌の進行を遅らせることしか出来ず、抗がん剤による寛解や癌を小さくして摘出するというのはほぼ可能性がなかった。この時点で最期をどうするか漠然と考えてホスピスや介護保険について色々と調べておけば良かった。
また、セカンドオピニオンをこの時点で受けて、より癌治療の得意な病院やホスピスを併設している病院に変えても良かった(抗がん剤治療しか選択肢がないのであれば、家から近い方がいいと思い、病院を変えなかった)。

②抗がん剤を変えた時
次の抗がん剤はどれぐらい効くかわからない、もし効かなかったら次の治療手段はもうないと言われた。このタイミングで国立癌研有明病院でセカンドオピニオンを受け、同じことを言われたが、癌研中央病院で開始したゲノム治療の要件に適合すればその治療が受けられる可能性もあるとのことだった。最初の抗がん剤で小さくなっていた腫瘍が再び大きくなり、肝臓癌も進行が速くなっていた。この時点で厳しそうなことはわかったので、介護保険申請をしておけば良かった。また、抗がん剤治療中ではあったが、ホスピスも申請は可能だったかもしれない。

③ゲノム治療ができるかどうかの判定時
10月半ばに、癌研中央病院でゲノム治療ができるかどうかの検査をした結果、夫の癌については有効な治療法はないと言われた。抗がん剤の効き目もあまりなく、癌はかなり進行していた。もうこの時点で、ホスピスと介護保険の申請をしておくべきだった。それでもホスピスについては遅かったかも。

④腫瘍痛が出始めた頃
11月頃からだんだん食事が取れなくなり、腫瘍の痛みを取るために麻薬性鎮痛薬を使うようになった。食べられない原因については、何回か検査したが、癌は進行しているものの胃腸は今のところ特に問題なく、種類を変えて引き続き抗がん剤治療も行う予定だった。しかし、薄々もう永くないのではと感じていたので、最悪でもその時にホスピスや介護保険の申請をしておくべきだった。

私も夫も、薄々わかっていながら、死に向き合うことが怖くて、主治医に余命も聞かなかったし、1日でも永く頑張って生きれば、新しい治療法も出てくるのではと、現実逃避していました。でも、絶対にあきらめない気持ちを持つ一方で、冷静に考え、もし悪化した時、夫はどうしたいか、話し合っておくべきでした。

あと、丸山ワクチンの接種を今年の7月に始めたのですが、ゲノム治療を受ける可能性があるのなら丸山ワクチンの接種はやめた方がいいとのことで、9月から接種を中断していました。結果論ですが、どうせゲノム治療が受けられないのなら、丸山ワクチンを続けておけば良かったと思います(前のブログの通り、効果はないとの見方が一般的です。ただ、副作用もないため、ホスピスでも丸山ワクチンだけは打ってもいいとしている所もあります)。丸山ワクチンは、効くかどうかはともかく、他に治療法のない癌患者にとっては、精神的にも最後の心の拠り所なんです。

結局、
・最初の病院選びは間違ってなかったか
・セカンドオピニオンの時期が遅すぎたのではなかったか
・なまじセカンドオピニオンを受けたためにゲノム治療に振り回され丸山ワクチンが打てない時期があり、もし打ち続けていたら治せなくても抗がん剤の副作用や腫瘍痛は軽減されていたのではないか
・腫瘍痛と食欲不振で苦しんでいたのであれば、余命が短いことを受け止めて、早めにホスピスに入院して肉体的にも精神的にも楽にしてあげた方が良かったのではないか

全て私が良かれと思ってやったことが裏目に出た気がします。

もっと究極を言えば、そもそも夫は私と結婚しなければ、もっと幸せになっていたんじゃないか、とさえ思ってしまい、幸せにしてあげられなくて申し訳ないという気持ちで一杯です。